このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
香港中文大学、シンガポール工科設計大学、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、Adobe Researchによる研究チームが開発した「Computational Design and Optimization of Non-Circular Gears」は、2つの輪郭図から、滑らかに回転し合う機能的な非円形歯車を自動生成する手法だ。
非円形歯車は、円形ではない不規則な形状の歯車。非円形歯車を、ユーザーが作成した輪郭図のペアから作成するこの手法では、輪郭図から最適な回転中心を計算し、求めた回転中心から輪郭図の形状に近い非円形歯車を設計する。
この手法で設計した非円形歯車は、比較的小さなトルクで駆動し、ペア同士がかみ合って連続的な回転運動を実現する。違う形状同士の輪郭図でも実現できることから、これまで困難であった多様な形状の非円形歯車による連結運動が可能となる。
研究チームは設計した非円形歯車を3Dプリンタで印刷して、正確に回転できることも実証している。
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