米Appleは、秋にリリース予定の「iOS 14」に「翻訳」アプリを追加します。これでiPhoneが便利な翻訳機になるのでしょうか。しかしiOS 14のパブリックβ版でライバルの「Google翻訳」と比較したところ、主に操作の面で未成熟な部分が見えてきました。
【注】本稿ではアップルの機密情報であるiOS 14パブリックベータ・ソフトウェアの機能を取材し画面の写真を撮影することについて特別な許可を得て掲載しています。パブリックベータは商用リリース前のソフトウェアなので、エラーや不具合が発生したり正しく機能しない場合があります。本稿で紹介する機能も最終仕様ではなく、正式リリース後に変更されている可能性があることをご了承ください。
意外に思うかもしれませんが、これまでiOSには“会話”を想定した純正リアルタイム翻訳機能がありませんでした。現在のiOS 13も音声アシスタントの「Siri」が翻訳できるのは単語や短いフレーズだけ。ウェイクワードの「Hey,Siri」に続けて「○○は英語でどういうの?」と話しかける必要があるため、会話をテンポ良く翻訳する用途には向いていません。
新しいiOS 14では、日本語を含む11カ国語に対応したApple純正の翻訳アプリがOSの標準機能として追加されます。アプリを起動し、対訳を知りたい2つの言語を選択、翻訳するフレーズをiPhoneのマイクに向かって声で入力するか、アプリ画面でテキスト入力するとスピーディーに翻訳します。長めのフレーズを翻訳する際、単語単位で辞書検索する機能もあり、言葉のニュアンスを確認したい時などに便利です。
訳文を音声で読み上げる機能もあります。例えば外国語を話す人が目の前にいた場合、iPhoneのスピーカーを相手に向け、読み上げ音声を聞いてもらえば意思疎通できます。アプリ画面のマイクアイコンをタップしてから交互に話せば、あらかじめ指定した2つの言語のどちらが話されているかを自動認識し、適切に翻訳してくれます。
ただ、音声入力にはコツもいります。全文を言い終わる前にまごついたりすると、そこで一区切りと判断され、翻訳処理が始まってしまいますので、例えば外国語の講演会やスピーチをリアルタイムで翻訳するといった用途には向いていません。
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