「フェースシールドでは不十分」 神戸市がコロナ対策で公式見解 ECサイト対応に課題(1/2 ページ)
「フェースシールド・マウスシールドではコロナ対策が不十分」「感染予防策としてはマスクの代わりにならない」――新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中、神戸市健康局がこのほど、このような通知を出し、市民にマスク着用の徹底を呼び掛けた。感染防止策を行政が模索する中、一部のECサイトで販売中のフェースシールドなどには、マスク未着用の写真を使っているものもあり、対応が課題となっている。
神戸市は通知で「フェースシールドは、主にせきやくしゃみで飛び散った唾液などから眼を防護する」「マウスシールドは、表情が見え、着用による暑さを軽減できる」とそれぞれの役割や利点を説明した上で、「感染予防策としてはマスクの代わりにならない」と明言。日常生活でのマスク着用を呼び掛けている。
神戸市健康局によると、市内の保育園で8月中旬、30代の女性保育士が新型コロナウイルスに感染した。この保育士はマスクを着用せず、フェースシールドのみ着用していた。
国は濃厚接触者について「手で触れることのできる距離(約1メートル)で、必要な感染予防策無しで、患者と15分以上の接触があった者」と定義しており、今回の件では周囲の幼児や同僚など数十人が濃厚接触者になった。同局によると、もし感染者がマスクを着用していた場合は健康観察にとどまっていたという。
神戸市はこの経緯を踏まえて通知を出したといい、担当者は「マウスシールドとフェースシールドが、マスクと同じ機能を果たしていないことを明文化する必要があった」と話した。
厚労省「飛沫防止効果が最も高いのはマスク」
神戸市がこうした対応をする中、国はどんな見解なのか。ITmedia NEWSの取材に対し、厚生労働省健康局結核感染症課は「マウスシールド、フェースシールド、不織布マスクの中で、飛沫防止効果が最も高いのはマスク」と説明した。
同課は、マウスシールドやフェースシールドは「自分の飛沫が相手の顔などに付着するのを防ぐ効果は多少あるが、飛沫が飛ばないようにする効果そのものは極めて限定的。基本的に、補助的な防御手段でしかない」とし、屋内など人が密接する場面での単独の使用を控えるよう求めた。
厚労省は正しいマスクの着用方法を公式サイトなどで啓発しているものの、フェースシールドなどの使い方は公式に説明していない。単独での効果が限定的で、効果に対するエビデンスが少ないからだ。
WHO(世界保健機関)でもマスクの解説動画はあるものの、フェースシールドなどの解説動画は一切ないという。同課は「解説を作れるほどの知見があまりなく、位置付けが難しい」と実情を明かした。
効果を巡っては、国会の質疑でも話題に上がった。9月の参議院予算委員会で、三浦信祐議員(公明党)の質問に対し、尾身茂氏(新型インフルエンザ等対策有識者会議新型コロナウイルス感染症対策分科会分科会長)は「相手の飛沫が自分に付着しないようにする効果はある」としたが、「マスクと違って、他の人の飛沫を吸い込むことを完全に防ぐことはできない。自分の飛沫の拡散を防ぐ効果もマスクほどは期待できない。フェースシールドはマスクへの補助的な役割だ」とも説明。「各現場で総合的に判断してほしい」と答弁した。
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