いろいろなパーツを組み合わせて自分好みの1台を作る「自作キーボード」について紹介する本連載。これまでは自作キーボードのキースイッチやキーキャップ、ケースといった各種パーツの他、見た目や打鍵感などハードウェアとしての側面を主に掘り下げてきた。
今回は自作キーボードのソフトウェア的な側面である「ファームウェア」について取り上げたい。
ファームウェアとはハードウェアの中で動作するソフトウェアのことで、自作キーボードがキーボードとして動作するために必須なものだ。
近年の自作キーボードは高機能なハードウェア(マイコン)を搭載しており、その上で動作するソフトウェアも多彩な機能を持つようになってきている。使いこなせば、市販のキーボードではできないこともできるようになるのだ。
そんなファームウェアは具体的にどんなことができるのか、どうやって作るのかを紹介していこう。
自作キーボード「Fortitude60」作者。自作キーボードの基本から設計方法までまとめた同人誌「BUILD YOUR OWN KEYBOARDs」を執筆。
自作キーボードの作者であり、キーボード関連のニュース動画「ほぼ週刊キーボードニュース」を配信するぺかそとびあっこが、自作キーボードの世界の“入り口”を紹介していく。
以前の連載で自作キーボードキットの例として「Corne Cherry」を組み立て、自作キーボードが出来上がっていく様子を紹介した。しかし、普通のキーボードには100個ほどキーがあるのに比べ、このキーボードはわずか42個のキーしかない。
良くも悪くも日本の自作キーボードはキー数が少ないものが多く、「こんな少ないキー数で本当に使い物になるの?」(もちろん以前紹介した通りメリットはある)と二の足を踏んでいる読者も中にはいるだろう。
この少ないキー数のキーボードを、普通のキーボードと同様に使いこなすために必要な裏方的存在が、この「ファームウェア」と呼ばれるものだ。もちろん少ないキーを補うためだけに存在するわけではなく、他にもたくさんの機能を持っている。
キーボードは、たくさんのスイッチを1本のケーブル(もしくは無線)でPCやタブレットなどに接続する構造をしている。もちろんそれぞれのキーを全てPCなどのデバイスに配線するのは非効率的だ。
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