このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
東京大学のチームが開発した「瞼内映像投影装置、EIPD:Eyelid Image Projection Device」は、瞼(まぶた)の内側に映像を投影し、目を閉じた状態でも視覚体験ができるようにするシステムだ。
映像を高輝度LEDで表示し、光ファイバーによってその光を瞼の表面に再配置するよう実装した。人が瞼越しに見るのは、通常はぼんやりとした赤色の世界だが、瞼内映像投影装置では瞼表面に高輝度の光を密着させる提示装置と、瞼内の色素による変色やブラー(拡散やレンズによるボケ)などを逆算するシステムにより、偏りのない鮮やかな色彩の画面を見せられる。
手に持ったパレットを指でなぞることで瞼の中に色を塗っていく操作も体験可能で、将来的にはBMI(Brain Machine Interface)としての応用も検討しているという。
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