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「はやぶさ2」コンテナから「リュウグウ」のガス 世界初の快挙

» 2020年12月16日 15時57分 公開
[ITmedia]

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月15日、小惑星探査機「はやぶさ2」のカプセルから採取したガスが、小惑星リュウグウ由来だと確認したと発表した。ガスを分析した結果、地球の大気成分とは異なることが分かったという。

 地球圏外から気体状態の物質のサンプルリターンは世界で初めてという。

画像 JAXAが豪州ウーメラ現地本部に持ち込んだ、ガスを分析するための装置
画像 サンプルコンテナの構造 (C)JAXA

 カプセルは12月6日に地球に帰還。オーストラリア・ウーメラ地区で回収された。その後、JAXAが現地に設置した「Quick Look Facility」と呼ばれる分析エリアで、サンプルコンテナ内から発生し続けていたガスを速やかに捕集・分析できたという。

 カプセルは8日、JAXA相模原キャンパス(神奈川県)に移送。同様の分析を、相模原キャンパスの「地球外試料キュレーションセンター」で11、12日に行った結果、豪州で行ったのと同じ分析結果が出たため、ガスは小惑星リュウグウ由来と結論付けた。

 JAXAは今後、ガスの分子組成や同位体組成の詳細な分析を行っていく。また、コンテナの開封作業も続ける。

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