ではそれを受けて、2021年はどうなるか?
スマートフォンが低調である状況は変わらないと予想される。想像以上に早く5G端末の価格が下がっている上に、コロナ禍で外出意欲も落ちているので、ハイエンド機は売れづらい。2つ折りなどは面白いがまだ劇的な低価格化は難しく、「5Gの本格導入に合わせて、ミドルクラスの5Gが売れる」年になるだろう。
本来2020年がそうなっても不思議はなかったのだが、多少遅くなるわけだ。iPhone 12は好調だが、それは5Gとデザインリニューアルの両方がセットになっていたからで、デザインリニューアルがないと思われる2021年は、多少落ち着いた感じになるのではないだろうか。
米国では政権交代が実現したものの、中国企業への風当たりはそのままなので、中国系スマートフォンメーカーの勢いも簡単には回復しない。Huaweiが落ち込む間隙を縫うようにOPPOやXiaomiが伸びるだろうが、それでも、外出という「ハイエンドスマートフォンを積極的に買うモチベーション」が伸びない以上、コロナ禍が落ち着くまで、厳しい流れが続く。
日本メーカーとしては、ミドルクラスでシャープがうまくやりそうだが、ソニーは現状と同じく、日本を中心とした特定の国でハイエンド+ミドルハイを売るくらいにとどまりそうだ。
スマートフォンを前提としたAR機器は、2021年は「まだ大きく伸びない」だろう。正直このジャンルは、最大手であるAppleの動き次第のところがある。Appleのデバイスが出る可能性はゼロではないが、確証はどこにもない。またAppleが作ったとしても「夢のように素晴らしいデバイス」というより、初期のApple Watchのように「あると便利だが……」という世界だと、低めに予想しておいた方がいいだろう。そのくらい、「理想的なARデバイス」を今の技術で作るのは難しい。
だがそれでも、2021年は今年以上に「先駆けとなるデバイス」が出てくる年になるだろう。本命が来る前に走らないと間に合わないからだ。
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