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「禰豆子の口かせ」でバーチャルな味覚を楽しむ 動画に映る食品の味を再現し味わえる装置、明大教授が開発Innovative Tech(2/2 ページ)

» 2021年01月27日 10時14分 公開
[山下裕毅ITmedia]
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(2)タブレット端末上に表示した食品を直接なめるタイプ

photo タブレットに表示するピザ上に透明の三角形ゲルを置いている(上)ディスプレイをオフにした時の三角形ゲルの配置(中)人工イクラの手法による球体ゲル(下)

 

 味を生成する原理は(1)と同じ。ゲルをタッチパネル搭載タブレットの液晶ディスプレイ上に配置し、画面に表示される食品を直接なめることで味わえるアプローチ。今回はカットしたピザの画像上に重なるよう、厚さ3mmの透明の三角形ゲルを6つ(基本五味+無味)載せている。

 ゲルには、細い白金線(陰極)が刺してあり、電源装置から伸ばした陽極の線を手に持ち、ゲルを舐めるように舌を押し当てることで味わえる。ゲルは透明なため、ディスプレイに画像を表示すると隠れるように見えにくくなる。小型化として、人工イクラの手法を用いた小さな球体ゲルの試作も始めている。

(3)VR HMD装着時でもハンズフリーで味を提示できるウェアラブルタイプ

photo VR HMDを着用していてもハンズフリーで味わえるウェアラブル型味ディスプレイ

 こちらも味の生成原理は(1)と同じ。VR HMDを装着していると口元が見えず、舌に押し当てる際もHMDが邪魔になる。そこで、鬼滅の刃の竈門禰豆子の口かせのような形状を考案した。口に当てた状態のまま首の後ろに固定することで、HMDの邪魔にならずハンズフリーで味わえる。陽極は首に貼り付ける方法を採用している。

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