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AWS障害、5時間でほぼ復旧 気象庁Webサイトなどに影響【各サービス復旧状況を追記】

» 2021年02月20日 05時49分 公開
[井上輝一ITmedia]

 米Amazon Web Services(米AWS)が提供するクラウドサービス「AWS」の東京リージョンで、2月20日午前0時ごろに障害が発生した。発生から約5時間がたった午前5時9分に同社は、障害の大部分を解消したと発表した。この影響でAWSを利用するオンラインゲームの一部などが利用しづらい状態に。また、気象庁の公式サイトが一時接続できない状態になり、同庁は復旧作業や関連性の調査を急いでいる。

追記 2021年2月20日午後4時 気象庁Webサイトは完全復旧

 気象庁は、午前10時50分ごろに公式サイトの全ページが正常に閲覧できるようになったと発表した。原因は「同庁が利用しているクラウドシステムの障害」としており、同庁の担当者はこのクラウドシステムがAWSであることを認めている。

 暗号資産取引所を運営するコインチェックは午前11時24分、同社の全てのサービスが通常通り利用できるようになったとTwitterで明かした。

(追記ここまで)


 障害が起きたのは、東京近郊にあるAWSのデータセンターの一つ(apne1-az1)。サーバの冷却システムへの電力供給が正しく行われず、サーバルームの1区画の温度が上昇した結果、クラウド計算環境「Amazon Elastic Compute Cloud」(EC2)の一部インスタンスの電源が落ちたという。これに伴い、EC2で利用できるストレージ「EBSボリューム」の一部でもパフォーマンスの低下が発生したとしている。

 同社は電源の復旧作業とサーバルームの冷却に取り組み、午前3時42分には多くの電源が回復。午前4時26分には室温が通常レベルまで戻ったという。午前5時9分にEC2インスタンスの大部分が回復し、EBSボリュームも一部を除いては回復したとしている。回復していない残りのインスタンスやボリュームについても同社は復旧に取り組んでいる。

 AWSの障害を受け、Yostar(東京都千代田区)のスマホ向けオンラインゲーム「アズールレーン」などが利用しづらい状態に。ミクシィが運営するゲーム「モンスターストライク」もサーバの機器障害が発生したとして一時緊急メンテナンスに入っていた。コインチェックが運営する暗号資産取引所「Coincheck」も、AWS障害が原因で19日午後11時ごろから緊急メンテナンスを実施。サービスを利用できない状態が続いている。

【追記:2021年2月20日午前6時40分 Coincheckの状況について記載しました】

 気象庁も、午前0時55分ごろに公式サイトが閲覧できない状態になった。同庁は午前4時までに公式サイトのシステムをバックアップに切り替えたため、現在はトップページなどが閲覧できるようになっている。しかし、一部コンテンツについては見られない状態が続いていることから、防災情報については本来2月24日に公開する予定だった新しいページを前倒して公開。そちらを参照するよう呼び掛けている。

 同庁は、AWS障害との関連性も含めて「システムの状況を確認中」としている。

気象庁公式サイト(午前5時時点)
米AWSによる障害の第一報
午前5時9分までの対応状況

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