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» 2021年03月11日 11時00分 公開

全自動そばゆでロボ、2本腕で本格展開 駅そば店の人材不足に対応

JR東日本スタートアップとコネクテッドロボティクスは、自動そばゆでロボット「駅そばロボット」を本格展開する。駅そば専門店の人材不足解消に役立てたい考え。

[石井徹,ITmedia]

 JR東日本スタートアップとコネクテッドロボティクスは、自動そばゆでロボット「駅そばロボット」を本格展開する。3月10日、千葉県・海浜幕張駅の「そばいちペリエ海浜幕張店」で初号機の稼働を始めた。駅そば専門店の人材不足解消に役立てたい考え。

JR東日本スタートアップとコネクテッドロボティクスの自動そばゆでロボット「駅そばロボット」

 駅そばロボットは、ロボットアームを使って自動でそばをゆで上げるロボット。2020年に「そばいちnonowa 東小金井店」での3カ月間の実証実験を経て、今回の本格展開となった。

 実証実験はシングルアームで行っていたが、今回はツインアームに強化。生そばをトレイから取り上げて、ゆでて、洗い、締めるという動作を全自動で行えるようになった。従業員1人分の作業をロボットが代替できるという。

 「そばいち」を運営するJR東日本フーズでは、駅そば専門店へ順次導入する方針。2026年までに30店への導入を目指すとしている。

省人化、均質化、接触防止に効果

 JR東日本は、子会社のJR東日本スタートアップを通じてスタートアップ支援に取り組んでいる。駅そばロボットもそうした支援の成果の一つだ。

 コネクテッドロボティクスはロボット技術を調理に応用するというスタートアップ企業で、これまでにソフトクリームロボットや食器洗いロボットといった製品を開発してきた。そばゆでの省人化についてJR東日本フーズが持ちかけた結果、今回の駅そばロボットの開発につながった。

 駅そばロボットによってそばの調理プロセスが自動化されるため、店員はゆで上がったそばにつゆや薬味を入れたり添えたりするだけでよくなる。作業の効率化に加えて、調理品質の均一化にもつながるとしている。

つゆや薬味を添えて客に提供するのは人力

 JR東日本フーズの日野正夫社長は「1年半前に構想した時点では、深刻な人手不足という課題があった」と開発背景を明かす。新しいスタッフを確保しても、教育が難しく、ゆでる時間が短かったといったクレームを受けることもあったという。

 ロボットは省人化や品質の均一化に役立つ他、コロナ禍でのニーズにも合致するという。「食券を使わないオーダーシステムと併せて導入することで、客や従業員どうしなどが対面する時間を減らせるという効果も期待できる」(日野社長)と話した。

 駅そばロボットは発券機とも連動でき、そば玉(調理前のそば)が入ったトレイを置くだけで稼働し、注文に応じて自動でゆで調理を始める。混雑時には注文を待たずに自動でそばを作り続ける設定も可能。

ロボットの制御盤

 ただ、そば玉が入ったトレイの補充や、そばにつゆや薬味を添えて提供する作業が必要となるため、完全な無人店舗にはできないという。

 コネクテッドロボティクスは駅そばロボットでの開発経験を生かし、ゆで上げロボットの外販を進めていく考えだ。そばゆでロボットの場合、導入費用は設置で20万円、月額コストはシングルアームタイプで11万円から、ツインアームタイプで25万円から(価格は税別)。

 コネクテッドロボティクスの沢登哲也社長は「そばゆでロボットの技術はパスタやラーメンといった他の技術にも応用できる。店舗からの要望があれば開発を進めていきたい」と意気込んだ。

 駅そばロボットは今後、JR東日本フーズのそば専門店「そばいち」で順次導入が進む見込みだ。日野社長によると、うどんとそばを展開する主力店舗の「いろり庵きらく」で導入するには、まだ課題があるという。

 「うどんはゆで上げ麺が主流だが、そばは茹で上げと生麺タイプの2種類があり、駅そばロボットが対応しているのは生麺。生そばとうどんを同時に調理する場合、調理時間が異なる上、そばだけに調理粉を落とす必要があるなど調理プロセスに大きな違いがある。異なるタイプの麺のゆで分けは、現時点での駅そばロボットでは切り分けが難しいため、今後の課題となる」(日野社長)

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