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» 2021年03月18日 07時50分 公開

“ARお絵かき”が進化? 現実に置かれた物体と連動する技術「RealitySketch」 Adobeなど開発Innovative Tech

現実とバーチャルのインタラクションを簡単に行えるようにする取り組み。

[山下裕毅,ITmedia]

Innovative Tech:

このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

 カナダ・カルガリー大学、米AdobeのResearch部門、米コロラド大学ボルダー校による研究チームが開発した「RealitySketch」は、スケッチしたARコンテンツと物理オブジェクトが連動し、動的な相互作用を可能にするツールだ。

photo RealitySketchを使うと、振り子の動きのような物理現象をARコンテンツでリアルタイムに視覚化できる

 現実世界上にARでスケッチする場合、スケッチした後のオブジェクトは浮いたままか、せいぜい自動アニメーションが再生されるくらいだった。RealitySketchは、スケッチした後に現実世界の物を動かすと、ARコンテンツが連動して動作する仕組みだ。

photo 手の動きと荷重の距離を測定し、グラフで滑車の力を可視化。移動する人が上に投げたボールの重力と慣性力を可視化する

 最初に追跡したい物理オブジェクトを選択しトラッキングを開始、次に線や円弧を描くことで現実世界をパラメーター化し要素間を関連付けることで、長さや角度など物理オブジェクトが移動したときのARコンテンツの動作を定義する。これにより、実際に物理オブジェクトを操作した際に、ARコンテンツも連動して動作するようになる。

photo 動きを記録し姿勢を視覚化することでリハビリテーション支援を行う

 現実世界での表面検出とオブジェクト配置の両方にAppleのARKitとSceneKitを活用。このフレームワークを使うため、プロトタイプはiOSをサポートするモバイルデバイス上で構築する。

photo バーチャルキャラクターのコントローラーとして物理オブジェクトを使用する例

 このツールの活用例として、滑車や台車などで移動距離や軌跡を視覚化し理解を深める教育ツール、身体の角度やボールの軌跡を視覚化することでスポーツやエクササイズの動きを解析する分析ツール、バーチャルキャラクター制御での動的パラメーター利用などを挙げている。

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