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仮想都市と人流をAIでシミュレート 5G基地局や自動運転ルートの検討に活用 KDDIらが開発へ

» 2021年03月19日 17時46分 公開
[ITmedia]

 KDDIと三井物産は3月19日、AIを活用し、実在の街を模した仮想都市や人流を作り出す「次世代型都市シミュレーター」を開発すると発表した。人が移動する時間や手段、目的地などを可視化でき、自動運転バスの停留所や5G基地局の配置場所に加え、自動運転車が走行するルートの検討などに役立つという。

photo 次世代型都市シミュレーターの図説

 au回線の契約者から同意を得て収集した位置情報や、国勢調査の結果といったビッグデータを活用。これらのデータを学習したAIが、人物一人一人の行動を仮想都市内で再現し、街中での人の動きをシミュレートする。これにより、従来は予測に数カ月かかっていた人の移動目的や手段、経路の分析を、数分から数時間で完了できるとしている。

 シミュレートした人流を基に、施設の混雑状況やエネルギー需要を予測することも可能という。まずはシミュレーション結果の正確性を3月以降に検証。2021年度中の事業化を目指す。

 KDDIによれば、これまで都市計画や生活インフラの構築に必要なデータは数年に1度の頻度で実施するアンケートや街頭調査で集めていたという。しかし、これらの手法では情報の更新速度が遅く、最新の状況を把握できないことから、次世代型都市シミュレーターの開発を決めたとしている。

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