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筑波大の授業DBがメンテ、困った新入生が代替ツールを“爆速開発” その背景を本人に聞いた(2/2 ページ)

» 2021年04月13日 18時17分 公開
[樋口隆充ITmedia]
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横浜サイエンスフロンティア高校出身の現役プログラマー

 実はいなにわうどんさん、現役高校生プログラマーとして一部のかいわいでは知られた存在だった。横浜サイエンスフロンティア高校在学中の2019年には、Twitterのヘビーユーザー、いわゆるツイッター廃人(ツイ廃)向けの専用ツール「ダツイハイ」を開発。指定期間内に一言でもツイートするとフォロー中のアカウントを強制的に全解除するサービスで、ツイ廃で勉強時間を確保できていなかった自身の戒めのために開発した。

photo いなにわうどんさんが高校生の時に開発した「ダツイハイ」

 そんないなにわうどんさんがプログラミングに興味を持ったのは小学校4年生の頃。「ホームページを作ってみたい」と思ったのがきっかけで、技術習得に努めた。20年度には高校生ながらIPA(情報処理推進機構)のIT人材発掘事業「未踏」の一つに採択され、公的支援を受けながら文書制作のための組版処理システムの開発に従事した。

落合陽一准教授らに憧れ入学 ソフトウェア開発のサークル立ち上げも

 4月から筑波大情報学群に入学したいなにわうどんさん。学びたい学問領域と合致したことはもちろん、筑波大出身の落合陽一准教授や「シン・テレワークシステム」の開発で知られる登大遊さんに憧れた。小学生の頃から筑波大のVPNサービスを利用していたことも志望した理由の一つだ。

 「(筑波大は)非常にユニークで天才的な能力を持たれた方々を多く輩出されていることでも有名です。是非そうした環境に身を置き、研究に励みたいと考えましたし、情報メディア創成学類は情報分野の中でも高レイヤー寄りな内容を中心としているため、Webや組版といった領域に興味のある自分にとっては、まさに理想の学類であると判断しました」(いなにわうどんさん)

 KdB(もどき)の開発で、1年生ながら在学生から注目される存在になった、いなにわうどんさん。今回の活動がきっかけで知り合った制作メンバーとともにソフトウェア開発のサークルを立ち上げることが決まったという。

 いなにわうどんさんは「入学してまだ間もないですが、筑波大学には学生が熱意を持ってさまざまな物事に挑戦していく土壌があることを強く実感しており、折に触れて感銘を受けています。今後、教員の先生方からご指導を賜りつつ、友人らと切磋琢磨を重ねながら、学業や研究活動、システム開発などに一層まい進していきたいです」としている。

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