NASA、火星で酸素を生成 将来は水の合成も

[ITmedia]

　米航空宇宙局（NASA）は4月21日（現地時間、以下同）、火星探査機「Perseverance」（パーサヴァランス）に積み込んだ実験機器を使い、火星で酸素を生成することに成功したと発表した。将来は、生成した酸素と水素から、水を作り出せる可能性もあるとしている。

実験で使った「MOXIE」　NASA / JPL-Caltech

　実験は20日に実施した。「MOXIE」と呼ばれる機器を使って二酸化炭素に800℃の熱を加え、一酸化炭素と酸素に分解。約5.4gの酸素を生み出した。これは宇宙飛行士が10分間呼吸できる量に相当するという。

　酸素は人間の呼吸だけでなく、ロケットの燃料を燃やすために不可欠。NASAによれば、火星から地球に移動するためには、約7トンの燃料に加え、約25トンの酸素が必要になるという。この量の酸素を地球から火星に運ぶことは難しく、現地で生成するほうが実用的という。

火星探査機のパーサヴァランス　NASA / JPL-Caltech

　パーサヴァランスは2月18日に火星に到達した探査機。NASAは今後、パーサヴァランスが火星を離れるまでに、同様の実験を条件を変えて9回以上行うとしている。