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国家公務員の採用試験に「デジタル」新設 2022年度から 平井大臣「行政のデジタル化に対応」

» 2021年04月28日 18時00分 公開
[樋口隆充ITmedia]

 平井卓也デジタル改革担当相は4月27日の会見で、2022年度から国家公務員の採用試験区分に「デジタル」を新設すると発表した。情報系の専門的な素養を持つ有為の人材をこれまで以上に確保する狙い。

photo 記者会見する平井大臣(出典:政府インターネットテレビ)

 総合職のデジタル区分の試験科目には選択式27問、記述式6問を出題する。選択式ではAIや情報セキュリティなどについて基礎から応用まで総合的に出題し、記述式ではハードウェアやソフトウェアなどを出題する。

photo 総合職の試験内容

 一般職についても試験内容を見直し、試験区分の「電気・電子・情報」を「デジタル・電気・電子」に変更する。選択式の問題数は40問から36問に減らす一方、4問をプログラミングや電子工学など受験者の選考分野に応じて選択する方式に変更。受験者視点で内容を見直した。

photo 一般職の試験内容

 平井大臣は会見で「新型コロナで明らかになった行政のデジタル化の遅れに迅速に対応するためには、政府部門における行政官としてデジタル改革をけん引する人材を確保することは必須」と試験制度を変更した意図を説明。「新たな試験区分を設けることで行政官にも専門的素養を持ったデジタル人材を確保することが可能となる」と期待を寄せた。

 デジタル庁設置に向けたデジタル改革関連法案の審議を進める中、政府は2020年12月、人事院に試験区分の新設を要請していた。

 政府は新卒採用での人材確保を強化する他、9月のデジタル庁設置に向け、民間人の経験者採用も強化。5月10日まで非常勤職員を募集し、6月ごろからはデジタル庁の幹部級職員を公募する予定。

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