米Appleが「iOS 14.5」のアップデートで追加した「AppTrackingTransparency」(ATT)を通じてのアプリでのトラッキング許可カード表示で、ユーザーの88%は「Appにトラッキングしないように要求」を選んでいる──。米Verizon傘下の広告分析企業Flurry AnalyticsがiOS 14.5リリースの4月26日(現地時間)から続けている「Daily Opt-in Rate After iOS 14.5 Launch」調査の結果から明らかになった。
ATTは、AppleがApp Storeに登録するアプリの開発者に義務付ける新しいルール。アプリがユーザーに関するデータを収集する場合、ユーザーがアプリを最初に起動する際と、iOS 14.5にアップデート後にアプリを最初にアップデートする際、データ収集の許可を求めるポップアップカードを表示する必要がある。
ユーザーは「Appにトラッキングしないように要求」を選択してもアプリを利用できる。アプリ側はこの選択をされるとアプリやWebサイトを横断するユーザーのアクティビティは追跡できなくなり、効果的なターゲティング広告の表示に利用できなくなる。
Flurryの調査は世界の約530万台のモバイル端末を対象に行なっているもの。過去13日間で、トラッキングを許可するユーザーの率は11〜13%の範囲で推移している。
米国に限る(約250万台が対象)と、トラッキング許可率は初日は2%だったが、その後は4〜5%で推移している。
ATTについては米Facebookが、ユーザーがトラッキングを許可しないと同社の広告ネットワークでのターゲティングにデータを利用できなくなり、アプリ開発者やパブリッシャーの収益が制限されるとして抗議している。
Facebookのアプリをインストールあるいはアップデートすると、トラッキング許可カード表示の前に、独自の警告画面を表示するようになった。トラッキングを許可するメリットとして「よりパーソナライズされた広告を表示します」「Facebookがサービスを今後も無料で提供する」「ビジネスが広告で顧客にリーチできるよう支援する」ことを挙げている。つまり、トラッキングを許可しないとFacebookのサービスを有料にする可能性があると警告していることになる。
Facebookは直近の業績発表で、「最近リリースされたiOS 14.5アップデートによる広告ターゲティングの逆風の増加が引き続き予想される」と語った。
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