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紙ストローが“ふにゃっ”とならない 「100%土に還る」天然素材のコーティング材開発

» 2021年05月13日 13時08分 公開
[岡田有花ITmedia]

 「すぐ”ふにゃっ”となる」「紙の味で飲み物の味が変わる」――紙ストローのそんな問題を解決する、100%天然素材の材料が登場した。

 環境に配慮した素材を開発する化学企業のGSアライアンス(兵庫県)は、紙ストローに塗布すると、強度を高め、舌触りも改善できるという「分解性樹脂コーティング材料を開発したと発表した。食品添加物などにも使われる天然素材のみで作られており、100%土に還るという。紙製品企業など向けに販売する。

画像 ニュースリリースより
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 海洋プラスチック問題に対応するため、プラスチック製のストローを紙ストローに変更する飲食店が増えているが、紙ストローは、水分を含むとふにゃふにゃになったり、紙の舌触りや味で飲み物の味が変わるといった課題がある。

 そこで同社は、紙・パルプ製品の耐水性、強度を向上させる天然の生分解性樹脂コーティング材料を開発した。

 通常の紙ストローにコーティングするだけで紙の強度を高められ、廃棄後も100%土に還るという材料。(1)市販の紙ストローと、(2)同じ紙ストローにコーティング剤をスプレーしたもの――を30分室温で水につけた後、500gの重りを乗せたところ、(1)は重さでへこんだが、(2)は形が変化しなかったという。

 新材料は、紙ストローだけでなく、紙製の食器などにも活用できるとして、国内外に事業展開していく。

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