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飛沫の抑制と通気性を両立させる不織布マスク、花王が開発へ 鹿島アントラーズも協力

» 2021年05月24日 18時49分 公開
[ITmedia]

 花王は5月24日、不織布を使って「飛沫抑制と通気性を両立させたマスク」を開発するプロジェクトを立ち上げると発表した。感染予防と集客の間で苦しむJリーグの鹿島アントラーズと協力して検証する。

県立カシマサッカースタジアムでも検証を行う(鹿島アントラーズのWebサイトより)

 慶應義塾大学理工学部の奥田知明教授、産業技術総合研究所、鹿島アントラーズ・エフ・シーと協力。花王が不織布製品の快適さを高める研究で開発したプロトタイプなどを実験室や県立カシマサッカースタジアムで検証し、その結果からマスクを改良する。

微粒子を可視化するシステムやパーティクルカウンターを使用して飛沫の抑制効果を検証する

 具体的には、

1)着用者の発声時にマスクを透過する飛沫量を画像解析で可視化。パーティクルカウンターなどの定量化手法を用い、実使用場面を想定した飛沫抑制効果を奥田教授が検証する。また着用時の快適性をアンケートで確認する。

2)呼吸シミュレーションやマスクのすき間の空気流体解析などから 呼吸時の不織布製マスクの飛沫抑制効果を花王が検証する。

3)鹿島アントラーズの主催試合月に1回程度プロトタイプのマスクを数百人規模のスタッフが着用、快適性を評価する。

4)1〜3の結果からマスクを改良する。

5)産業技術総合研究所はリスク評価モデルを活用して1〜3のデータから着用時の感染リスク低減効果を評価する。

 将来的には観客を対象とした着用時の快適性の評価なども行い、大規模イベントのより安全な開催を目指す。研究成果は公表する。

スタジアムでは現在、歌や声を出しての応援の他、指笛やハイタッチも禁止されている

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