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「Google フォト」対「Box」 プランの比較から見る各社の狙いGoogle フォトの容量無制限終了で考える(1/2 ページ)

» 2021年06月03日 19時13分 公開

 2021年5月末に終了した、写真ストレージサービス「Google フォト」の無料・無制限バックアップサービス。6月1日からは、これまで無制限だった「高画質」設定(写真は最大1600万画素、動画は1080pに圧縮)でのバックアップも、Googleアカウントの保存容量にカウントされる。なお、6月1日より前に「高画質」設定でバックアップされた写真や動画はそのままカウントされない。

 この機会に「Google One」の有料プランに加入してGoogle フォトを継続利用するか、他のクラウドストレージサービスへの移行を検討する人もいるだろう。そこで今回は、クラウドストレージ「Box」と提供プランやサービスを比較し、両サービスの狙いを考えていく。

ビジネス用途をターゲットとしてきた「Box」

 米Box社が提供するBoxは、ビジネス用途の企業をメインターゲットとしたクラウドサービスだ。米国の企業番付「Fortune 500」に掲載された、全米売上高ランキング上位500社のうち60%がBoxを利用。日本では7300社(20年9月時点)が採用しているという。

photo クラウドストレージ「Box」は多くの企業が採用している

 同サービスの強みとして、セキュリティ対策と柔軟な権限設定が挙げられる。組織内でのコンテンツ管理にも力を入れており、APIを通じた業務アプリケーション越しの連携にも対応する。法人向けの有料プランでは容量無制限のストレージも提供されている。

 ビジネス用途をメインターゲットとしているものの、個人でもBoxの利用は可能だ。先述したようなセキュリティ面での強みから、個人でもあえてBoxを選ぶというユーザーは少なからずいる。

 Boxの無料プラン(Individual)は個人用アカウントでのみ利用でき、ストレージ容量は10GBとなっている。

photo Boxの個人プランの価格

 Boxの個人向けプランにはストレージ容量ごとの料金プランはなく、10GB分の容量が付いた無料プランと、100GBのストレージが付いた月額1200円の有料プラン「Personal Pro」という選択肢しかない。Google Oneの場合、100GBのプランは同250円で提供されているため、Boxの有料プランは割高に感じられる。

photo BoxとGoogle Oneの小容量プランの比較

 無料プランでは1ファイル当たりのアップロード可能なサイズ上限が250MBまでとなっているため、動画ファイルのバックアップには使いにくいだろう。一方、Personal Proでは1ファイルあたりのサイズ上限は5GBとなり、使いやすさは向上する。

 Google フォトでは、スマートフォンで撮影した写真や動画を自動的にバックアップできる。Boxのスマートフォンアプリにも似たような機能があり、端末内の指定したフォルダに新しいファイルを検出すると自動でアップロードするというものだ。ただし、この「自動アップロード」機能は無料のアカウントでは利用できない。

photo 新しいファイルを自動でバックアップできる「自動アップロード」は有料のプランで利用できる
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