英ロンドンで開催のG7は6月5日(現地時間)に最終日を迎え、共同声明を発表(リンク先は外務省による仮訳のPDF)した。この中で、「大規模で高利益の多国籍企業について、10%の利益率を上回る利益のうちの少なくとも20%に対する課税権を市場国に与える、課税権の配分に関する公平な解決策に至ることにコミットする」と宣言した。
つまり、10%以上の利益率を持つAmazon、Apple、Facebook、Google、Microsoftなどのグローバル企業の場合、それを超える利益の20%が事業を行っている国での課税対象になる。
また、「国別での15%以上のグローバル・ミニマム課税にコミットする」とも宣言した。つまり、各国の法人税の最低税率を15%以上にするということだ。
現在、企業は法人税率が低い、例えばアイルランド(法人税率は12.5%)などに支店を置き、そこで利益を申告することで合法的に節税できているが、これが難しくなる。ちなみに日本の現在の最低法人税率は23.2%だ。
この協定は7月にベネチアで開催される予定のG20でさらに議論される予定だ。
AmazonはReutersに対し「多国間解決策を生み出すOECD主導のプロセスは国際税制にもたらすと信じている。G7による合意は、この目的達成への取り組みにおける歓迎すべき前進を示している」という声明文を送った。Googleは「われわれはバランスのとれた永続的な協定が完成することを保証するために、各国が引き続き協力することを望んでいる」とした。Facebookの広報・国際戦略担当副社長、ニック・クレッグ氏は「Facebookは以前からグローバル税制の改革を求めており、G7での大きな進展を歓迎する。この合意は世界の税制に対する国民の信頼を強化するための重要な第一歩だ」とツイートした。本稿執筆現在、Appleからはまだ声明は出ていない。
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