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商品バーコードをスマホで読み取り、支払いは無人レジで イオンの「レジゴー」使って分かった魅力と課題(1/2 ページ)

» 2021年06月11日 15時00分 公開
[荒岡瑛一郎ITmedia]

 スマートフォンで買いたい商品のバーコードを読み取り、かごの中へ。支払いは専用の無人レジで行う――イオンリテールは2020年3月からこんなシステムを導入している。レジが混雑しにくく、従業員との接触機会を減らせるため、新型コロナの感染リスクを抑えられる点が特徴という。

 名前は「レジゴー」。21年5月31日時点で、本州と四国の計41店舗が導入している。5月下旬、記者が普段利用するイオンでもサービスが始まった。早速体験し、疑問点や導入後の状況についてイオンリテールに聞いた。

スマホで商品スキャン、専用レジで会計

 レジゴーの仕組みはこうだ。まず店舗が用意したスマホを借りるか、自身のスマホに専用アプリをダウンロードする。このとき、利用者登録などは必要ない。買い物をしながら買いたい商品のバーコードをスマホでスキャン、バーコードのない野菜や魚などは画面上の食品一覧から商品と購入個数を選択する。

商品のバーコードを読み取る様子(筆者撮影)

 一度スキャンしても、商品ごとにバツ印を押してキャンセルができる。会計は、専用レジのQRコードを読み取って買い物データを転送して済ませる。支払い方法は現金やクレジットカード、交通系電子マネーなど。

スマホ画面に表示される内容。商品は右上のバツ印でキャンセルできる(筆者撮影)

 割引は会計時に自動で適用し、年齢確認が必要な酒類やクーポンの利用時は店員が直接確認する。出口には、商品のスキャン忘れや意図的な未スキャンを防ぐための専用ゲートを設置。売り場を出るとき、スマホに表示したQRコードをかざすことで、会計完了を確認する。

 イオンリテールによると、子どもを連れた利用者からシニア層まで食品売り場を利用する人の約2〜3割がレジゴーを使うため、従業員がスキャンや会計処理をする時間が減ったという。

 混雑の軽減だけでなく、売り上げの増加にも効果があった。1回の買い物での買い上げ点数は、レジゴーを使わない場合に比べ約2割増えるという。同社は理由について、スマホ画面にスキャンした商品が表示されるため、買い忘れの防止につながったのではないかと分析している。

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