パナソニックが5月に発表した「GH5 Mark II」と「GH6」。どちらも型番に「H」が付く“ガチ動画”モデルだ。LマウントのSシリーズだと「S1H」がそうだし、ミラーレス一眼ではGHシリーズが伝統的にそうだ。パナソニックはマイクロフォーサーズをスチルより映像用と位置付けているのだろうか?
GHシリーズは、単に動画を撮れるだけじゃなくて、業務用の映像も録れるよう頑丈さから拡張性、映像世界における各種規格への対応などかなり本格的な構成のカメラだ。パナソニックはそもそも映画用のシネカメラや業務向けのビデオカメラも手掛けており、ミラーレス一眼においても古くから動画に力を入れてきた。フルHD動画に対応した「DMC-GH1」なんて2009年だからね。
で、そのGHシリーズは2017年の「GH5」で止まっていたのだけど、新しいGH5 Mark IIとさらにハイエンドのGH6が同時に発表されたのだ。
どちらも映像に力を入れているが、位置付けはちょっと違う。
GH6は開発発表で発売はまだ先になるが(年内発売を目指している)、イメージセンサーも映像エンジンも新しくなり、シネマ4K/60pで記録時間無制限……つまりタフで熱暴走することなく長尺撮影ができるガチ業務仕様のGHということになる。最高で5.7K/60pにも対応。価格もかなり高くなりそうだ。映像系フラッグシップGHである。
対するGH5 Mark IIは、GH5をベースに今の時代に合わせて進化させたもの。2021年型GH5だ。見た目はGH5とほぼ変わらないが、「4年分の基本性能向上」と「2021年ならではの新機能」の2つがポイントである。
基本性能に関しては、まず画像処理エンジンやセンサーの進化。画素数などは変わらないが、DC-G9同様、センサー表面にARコーティングを施してフレアを抑制するなど強化している。他にもAF時の認識機能の強化、手ブレ補正の強化(レンズ内の手ブレ補正と協調するDual I.S. 2で最大6.5段)、高輝度になった背面モニターなどが挙げられる。
動画面でもS1Hで採用した動画用手ブレ補正アルゴリズムを搭載。動画時のインタフェースや撮影アシスト機能もS1Hと同じものを採用している。最新のユーザーインタフェースに合わせた格好だ。
そして動画の無制限撮影(つまり熱対策をしっかり施した)、USB PDに対応(給電しながらの撮影もできる)、Gシリーズレンズのフォーカスリングの挙動をリニア設定対応(レンズのファームアップが必要)などなど、派手じゃないけど足元をしっかり固めてきた感じで、本格的に映像作品を作りたい人にいい。
もう1つの「2021年ならではの新機能」はライブストリーミング機能。スマートフォンとWi-Fiで接続して無線ライブ配信に対応した。ライブ配信のニーズが高まったことによる対応だ。
価格はボディのみで19万4000円前後を予定。GH5登場時より安くなっており、フラッグシップ機となるGH6を待つのでないのなら、GH5よりGH5 IIを選んだ方が良さそうだ。
もう1つ。GH5 IIの発表からほどなくオープンしたのが「LUMIX BASE TOKYO」だ。2019年に作ったばかりの「LUMIX GINZA TOKYO」を銀座から青山に移転し、リニューアルした。
2019年からの2年で市場のニーズが大きく変わり、それに対応するためにクリエイターが多く集まる渋谷から青山界隈に、より広いスペースを確保して移転したのだという。
今までと大きく違うのは、スタジオやワークスペースが用意されていること。
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