本格的に映像コンテンツを制作しようと思うと、カメラとレンズに加えて外付けのマイクであったり、リグであったり、ジンバルであったり専用の三脚+雲台であったりと必要に応じて様々な機材が必要になるし、リアルタイム配信を行うにはスイッチャーも必要で、どこのどんな製品をどう組み合わせるかが非常に重要になり、ちょいとハードルが高い。
そこで、LUMIX BASE TOKYOではそれら他社製品も並べ、実際にスタジオで試せるようにした。
より高度な映像コンテンツや配信のクオリティーが求められる時代、カメラを中心とした撮影から編集、配信までシステム全体を俯瞰(ふかん)でき、体験できる場が必要と考え、カメラメーカー自らそういう場を用意することにしたのである。
クリエイターは自身のワークフローで製品を試せるし、逆に自身の試みに最適なワークフローを見つけられる場所にもなるだろう。従来の自社製品中心のショウルームと異なるのはそこ。
実際にスタジオを使った配信も可能ということなので、いろんなマイク(内覧の時はゼンハイザーのマイクが用意されていた)を試したり、BlackMagicのスイッチャーを使えるのもよい試みだ。
PCを使って編集するためのスペースもある。自前のノートPCを持ち込んでもいいし、あらかじめAdobeの「Creative Cloud」やBlackMagic Designのビデオ編集ソフト「DaVinci Resolve」がインストールされたPCも用意されている。
コンセプトは「クリエイターとともに創り上げる、クリエイターの活動拠点」だという。
LUMIXのショウルームでもあるので、LUMIXシリーズの全製品やレンズ(ただしコンパクトカメラは除く)も。S1シリーズから「GF10」までそろっているが、注目したいのは「BGH1」。映像に特化したマイクロフォーサーズ機で、液晶モニターも持たないミニマムなキューブ型のボディが特長。
ユーザーそれぞれが外部モニターを付けたり、リグを付けて拡張したりするのが前提のカメラだ。こういう製品を実際に試せる場があるのは大きい。
LUMIX BASE TOKYOには機材を試すスペースの他、サポート窓口もあり、奥にはプロサポートの窓口もある。
LUMIXのショウルームというよりは、LUMIXをコアにした映像ワークフローを体験したり情報を得たり交換したりを無料でできるという場所。LUMIXユーザーには非常にありがたいし、比較的自由にスペースを使わせてもらえそうなので、LUMIXユーザーの拠点のようになってユーザー同士が機材やノウハウの情報交換が行われるようになっていけばすごく面白い存在になっていくと思う。
さて気になるのが「パナソニックはマイクロフォーサーズをスチルより映像用と位置付けているのか?」ってこと。確かにここ1年で新しく発売されたマイクロフォーサーズのシリーズはV-logger向きとして登場した「G100」から映像専用のBGH1、そしてGH5 IIにGH6と動画性能に注力したカメラばかり。LUMIX BASE TOKYOも映像に力を入れている。
パナソニックによると決してそういうわけではなく「スチルとムービーは半々」という。ただ、今の時代はどうしても映像系が目立つ上にノウハウや幅広い情報を必要とする人が増えたため、映像がメインに見えるのかもしれない。
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