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バーチャルイベントはもはや「コロナ禍におけるやむを得ない代替案」ではないウィズコロナ時代のテクノロジー(2/4 ページ)

» 2021年07月05日 10時13分 公開
[小林啓倫ITmedia]

企業間イベントはバーチャルが主流に?

 パンデミック以前は、さまざまな見本市やカンファレンスに出掛けていたという方も多いだろう。新技術の実物に触れたり、専門家から直接助言を得られたりする企業間イベントは、参加費が高額であっても大勢の人々が押し掛けているように、そこでしか得られない価値を提供してくれる。

 しかしさまざまなイベントが感染拡大防止のために中止される中、企業向けのイベントも例外ではなく、多くが中止に追い込まれた。それを回避するために活用されたのがバーチャルイベントで、例えばIT系でも、CEATECなど著名なイベントがオンラインで開催されている(CEATECは2021年度もオンラインのみでの開催が決定)。

 こうした企業間イベントは、パンデミック後、再びオフライン開催に戻るのだろうか。ビジネスSNSとして知られるLinkedInが、関係するアンケート調査を実施し、結果を公開している

photo バーチャルイベントに関するLinkedInの調査結果

 これはLinkedInが英国およびアイルランドにおいて、企業間イベントを開催している事業者を対象に行った調査だ。それによると、「バーチャルイベントがこれまでになかった機会を提供した」と考える回答者の割合は、全体の81%に達している。また「物理的なイベントを実行するよりも大きな投資収益率が達成された」と答えた割合も、71%と過半数を大きく上回っている。バーチャルイベントは「コロナ禍におけるやむを得ない代替案」という位置付けを超え、具体的な価値を提供してくれるものとして認識されているわけだ。

 その結果、将来のイベントの在り方を尋ねる設問では、物理的イベントと答えたのが38%、バーチャルイベントが45%、両方のハイブリッドが23%となっている。ハイブリッドも含めれば、実に7割近い事業者が、今後もバーチャルイベントを続けていくという姿勢を示している。

 もちろん企業間イベントにもさまざまな種類があり、情報系やセミナー系などバーチャル開催がしやすいものもあれば、逆に難しいものもあるだろう。そのため傾向に濃淡はあるだろうが、オンラインでの開催は有力な選択肢として検討されることになりそうだ。

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