7月23日に行われた東京オリンピック(東京五輪)の開会式以降、簡単な絵で情報を表す「ピクトグラム」がネット上で注目を集めている。開会式でプロのパントマイマーが各競技のピクトグラムを体現し、大きな反響を呼んだからだ。これに触発された人々がパロディー作品を続々公開している。
中でも精力的に作品を公開している一人が、よんてんごP(@yontengoP)さん。IT業界の“あるあるネタ”を中心にデスクワークやシステムの仕様変更、バグ修正の様子に加え、「定時ダッシュ」「職場ストレッチ」「(仕事の)丸投げ」などの様子も社会人のあるあるネタとしてピクトグラム化し、公開している。
おむつ替えや子連れでの買い物の苦労や、食事中の子どもとの攻防など子育ての様子をピクトグラムで表現した「ママリンピック(パパリンピック)2020」や、英語の前置詞の概念を表現した「前置詞ピクトグラム」、東京五輪開催までのスキャンダルを表現した作品もあった。
企業の公式アカウントもピクトグラム化の取り組みに参戦。アイリスオーヤマは自社でも扱う炊飯器をテーマに「炊飯ボタン押し忘れピクトグラム」を公式Twitterアカウントで公開している。
その他にも、コロナワクチン接種前の事前準備を表現した作品や、ペットでネコを飼う家庭のあるあるネタも注目を集めている。
ピクトグラムは、1964年に行われた前回の東京五輪で、言語の壁を越えて誰にでも情報を伝えられるように、美術評論家の勝見勝さんなどが開発したもの(原型自体は1920年代にオーストリアの社会学者が作ったとされる)。国によって表示が異なるケースが多いが、車いすマークや非常口マークのように世界共通のピクトグラムもある。
57年ぶりの東京開催となった「東京2020オリンピック・パラリンピック」。前回開催時と異なりネットが普及した今、ネットを通じてさまざまな声や交流が生まれている。競技者やサポーター、報道関係者、企業など、国や立場を超えて生まれる“ネットと五輪”ムーブメントを追う。
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