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カードゲーム開発者がSNSで個人を中傷、解職処分に 同社代表ら3人も役員を辞任

» 2021年08月04日 20時41分 公開
[松浦立樹ITmedia]

 トレーディングカードゲーム(TCG)の開発を手掛ける大遊(大阪府大阪市)は8月3日、同社のスタッフがSNS上で個人へ誹謗(ひぼう)中傷などの不適切な発言をしたとして、解職処分にしたと発表した。合わせて、代表取締役2人と取締役1人も引責として役員を辞任するという。後任人事は決まっておらず、後日発表予定。

大遊が発表したコメント全文(公式Webページから引用)

 解職処分となったのは「池っち店長」の愛称で知られる同社開発ディレクターの池田芳正氏。池田氏は、同氏が創業したトレーディングカードショップ「カードキングダム」のDiscordチャンネルで、個人への強要や中傷を含む複数の不適切な発言を行ったという。

 大遊は同氏の発言について「社会全体としてさまざまな誹謗中傷の根絶に向けて動き出している中、このような事件を起こしてしまったことを重く受け止めている」と表明。被害者に対し「深くおわび申し上げます」とした上で、池田氏を、開発と広報、運営、同社開発のTCG「ゲートルーラー」関連業務とプロジェクトから解職するとした。

 池田氏がすでに開発していたカードはそのままに、残りの開発を新体制で進めていくという。一方、カードキングダムを運営する遊縁(東京都千代田区)には、Discordサーバの運営についてクレームを入れ、改善を要求したという。

 大遊は、ゲートルーラーの開発のため池田氏が2020年10月に立ち上げた会社。しかし、TCG「フューチャーカード バディファイト」の秘密情報を同氏が発信したとして、21年1月にブシロードから訴訟を起こされた。同氏はその責任を取り代表取締役を辞任後、ゲートルーラー・プロジェクトの開発責任者を務めていた。

ブシロードが発表した池田氏への訴訟提起のお知らせ(公式Webページから引用)

 SNSでの不適切発言を巡っては、ホビー雑誌「月刊ホビージャパン」を発行するホビージャパン(東京都渋谷区)が7月26日に、自身のTwitterアカウントでプラモデルなどの買い占めや転売を容認する発言を行った編集者の退職処分および、常務取締役と同雑誌の編集長と副編集長の降格処分を発表していた。

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