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» 2021年08月05日 12時30分 公開

Facebook、同社の広告ターゲティングの透明性を調査していた研究者のアカウントを停止

Facebookは、同社の広告ターゲティングの透明性を調査していたニューヨーク大学のプロジェクト運営者らのアカウントを停止した。同社の利用規約に反したためとしている。プロジェクトは拡張機能を使うことで、ボランティアから匿名化した広告関連データを集めていた。

[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Facebookは8月3日(現地時間)、ニューヨーク大学のAd Observatory Projectとその運営者らのアカウントを停止したと発表した。不正な手段を使って政治広告を調査し、利用規約に違反したためとしている。

 Ad Observatory Projectは、Facebook上の政治広告に関する透明性を高める目的で、ニューヨーク大学の研究者、ローラ・エデルソン氏などが立ち上げたプロジェクト。Facebook上の政治広告関連データを匿名で提供できる専用拡張機能「Ad Observer」のWebブラウザへのインストールを、ボランティアに呼び掛けてきた。

 ad Ad Observer拡張機能

 この拡張機能をインストールしたブラウザでFacebookを表示すると、表示される広告主の名前や広告文、画像、リンクなどのデータが、個人情報を除いた状態でプロジェクトに送られる。

 Facebook自身も政治広告用の透明性ライブラリを提供してはいるが、プロジェクトによると「これらのライブラリには政治コンテンツを取り上げた多くの広告が含まれておらず、広告ターゲティングの重要な情報が含まれていないことが多い」という。例えば、ユーザーの興味に基づいて広告がどのようにターゲティングされるかについてのデータはない。個々のユーザーは、自分のニュースフィードに表示される広告をクリックすれば、その理由を確認できる。拡張機能はそのデータも収集できる。

 Facebook自身は、政治広告についてはファクトチェックをしない方針を表明している。

 Facebookは、このプロジェクトによるデータ収集の手段は不正だと主張し、米連邦取引委員会(FTC)との取り決めに基づくプライバシープログラムに沿って、不正なスクレイピングを阻止し、人々のプライバシーを保護するためにこの措置を講じた」と説明した。

 FTCとの取り決めとは、Cambridge Analyticaスキャンダル関連で50億ドルの制裁金を科された際のものを指す。

 エデルソン氏は自身のTwitterアカウントで、Facebookは20人以上の関係者のアカウントを停止することで、「Facebook広告ライブラリの体系的な欠陥を明らかにするわれわれの取り組みを事実上終了させた」とし、「Facebookの偽情報に関するデータを明るみに出すためのわれわれの取り組みは、健全なインターネットと健全な民主主義にとって不可欠だ」と主張した。


 Ad Observerを支持するMozillaは公式ブログで、この拡張機能は個人情報は収集しておらず、サーバ上でユーザープロフィールをコンパイルしたりもしていないので、Facebookの主張は誤っているとプロジェクトを擁護した。

 プリンストン大学のジョナサン・メイヤー教授も自身のTwitterアカウントで、「とんでもない話だ」「Facebookの法的議論は偽物」とツイートし、その根拠を細かく説明している。

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