新型コロナの対策用にECサイトで販売されている5000円以下の二酸化炭素測定器(CO2センサー)12機種の精度を検証したところ、半数以上である8機種がCO2に反応しなかった──電気通信大学は8月10日、こんな実験結果を発表した。換気の目安にCO2センサーは有効とされるが、正しい測定ができなければ換気や行動変容につながらないとして同大は注意を呼び掛けている。
同大の研究チームは、2900円から4999円の価格帯でCO2センサーを12機種用意。いずれも感染症対策用として販売されていたものという。正しい数値を参照するため、研究用センサーと産業用センサーも加え、同時に測定した。
その結果、実験空間のCO2濃度を上げても、8機種では測定値が上がらなかった。残り4機種のうち1機種は異常に高い値だったため、故障していると考えられるという。残り3機種は誤差が15%以上あるものの、校正すれば感染症対策に使えるとしている。
一方、CO2に反応しなかった8機種は消毒用アルコールに対して強く反応を示した。この結果から研究チームは「これらのセンサーはCO2以外の物質を測定する疑似センサーを搭載していると考えられる」と結論している。
利用しているCO2センサーが正しく動作するかの簡易的な確認方法として、研究チームは「息を吹きかけて数値が上がるか」「ビニール袋の中にセンサーを入れ、呼気で膨らませて反応するか」を挙げている。一方「消毒用アルコールを吹きかけた手をセンサーに近づけて数値が上昇するのであれば、疑似センサーの可能性が高いため使用しないことを推奨する」としている。
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