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レトロでかわいいニコン「Z fc」は見た目で買っちゃっていい趣味のミラーレス一眼だった荻窪圭のデジカメレビュープラス(3/5 ページ)

» 2021年08月22日 08時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

性能は「Z 50」相当で画質は実によい

 Z fcはAPS-Cサイズセンサーを搭載したZマウントのミラーレス一眼。Zマウント自体がかなりデカいのでレンズを外して正面から見るとちょっとマウントがでかく感じる。

Z fcを正面から。向かってマウントの左下にあるボタンはWBが割り当てられているがカスタマイズ可能だ

 画素数は2088万画素と「Z 50」と同じ。まあ中身はほぼZ 50と思っていいかと思う。ボディ内手ブレ補正を持たないのも同じだ(残念だけど)。

 イマドキデザインのZ 50とクラシックデザインのZ fcって感じ。

 EVFもZ50と同じだ。Z 6やZ 7ほどではないが大きくて見やすい。

 Z 50と違うのは背面モニターだ。Z 50はチルト式だが、Z fcはバリアングル式。

モニターはバリアングル式になった

 バリアングル式にしたこととZ 50よりボディの中央寄りにマウントが設置されたことで、モニターがかなり左寄りになってる。これはちょっと美しくないなあと思う。

 Z fcのデザインでひっかかったのはそこかな。

背面から。モニターが左寄りに位置するのがちょっと気になる

 なので基本的にファインダーをのぞいて撮った方が気持ちよいし、それが似合うデザインだ。

 では撮る。AFはZシリーズなので人物と動物の瞳対応だ。

AUTOモードで。人物を見つけると瞳AFが働く

 逆光気味の人物撮影時はAUTO時とPASM時でカメラ側の振る舞いが変わるので注意が必要。AUTO時は顔を見つけるとそこに露出を合わせてくるがそれ以外の時は全体をみて露出を決める。逆光時に顕著に出るので人をさっと撮りたいときはAUTOがいいし、ちゃんと自分でコントロールしたいときはPASMのいずれかを使うのがいい。

上がAUTOで撮影した時、下が絞り優先AEで撮影した時。どちらも露出補正はなし。まあ逆光時は露出補正を意識すべし、だ

 AUTOで撮ったポートレートがこちら。でも絞り優先AEで露出補正やら絞りやらをうまくコントロールして好みの画作りで撮る方がZ fcらしいかなとは思う。

雨が降っていたので屋根の下でポートレート(なのでどうしても逆光気味になる)。AUTOだとちゃんと顔に露出が合い、発色もきれい。これはよい(16-50mm 36mm 1_125秒 F5.3 ISO560)

 AFエリア指定はちょっと数が多い。オートエリア1つとっても「オートエリア/オートエリア(動物)/オートエリア(人物)」と3パターンあるからだ。

AFエリアはピンポイント、一点、ワイド-S、ワイド-L、オートエリアなんだが、ワイド-Lとオートエリアにはそれぞれ人物・動物の瞳優先があるのだ

 で、「オートエリアAF(動物)」で撮影した猫。レンズはZマウントのMC 50mm f/2.8。50mmのマクロレンズ。軽量で扱いやすいマクロレンズでZ fcでテーブルフォトやペットを撮るときなんかにもいい。

Z fcにMC 50mm f/2.8というマクロレンズを装着。このレンズ、フルサイズ用だけどコンパクトで軽いのでZ fcにつけてテーブルフォトに使うのもいい
動物瞳AFで撮った猫。明るくない室内でシャッタースピードを高めに保ちたかったのでISO4000まで上げたのだけど、このくらいなら全然Okだった(50mm 1/250秒 F3.2 ISO4000)

 さらに、OKボタンをクリックして「ターゲット追尾AFに切り替えることもできる。オートエリアがうまくいかないときは1点AFに切り替えて十字キーなりタッチパネルなりでAF枠を指定するのが一般的だけど、ターゲット追尾AFで狙ったところにフォーカスを合わせられるならその方が簡単で確実だ。AFも速いし。

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