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包帯のように装着するハンドトラッカー「WovenProbe」 スマートウォッチから電力供給Innovative Tech(1/2 ページ)

» 2021年09月10日 08時00分 公開
[山下裕毅ITmedia]

Innovative Tech:

このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

 米コーネル大学の研究チームが開発した「WovenProbe: Probing Possibilities for Weaving Fully-Integrated On-Skin Systems Deployable in the Field」は、グローブのように手全体を覆わない、スリムで軽量なハンドトラッキング用ウェアラブルデバイスだ。指や手首の曲がり具合を検出し、VRのハンドジェスチャー制御などに活用できる。

photo WovenProbeの概要図と外観

 実用的なウェアラブルデバイスを開発するために、手首と親指、人差し指のみに接触するスリムな仕様を採用。覆っているのは手の外側だけなので、手の内側を使う日常生活の邪魔にならないのが特徴だ。

 トラッカーは、布製の本体、慣性計測ユニット(IMU)、マイクロプロセッサ、電力を取得するエネルギーハーベスター、バッテリー、SDカードなどで構成。指の動きを追跡するために、人差し指の先端と第2関節、親指の先端と付け根の4カ所にIMUを設置した。

photo プロトタイプの概要

 手首部分には近距離無線通信(NFC)コイルを織り込んでおり、スマートウォッチからワイヤレスで電力供給できる他、データをスマートウォッチに送信することも可能。電力供給のため、手首に装着したスマートウォッチのちょうど下にコイル型のアンテナが来るようにした。

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