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「絵が描けなくても漫画ネームを作れる」は本当か “絵心ゼロ”記者が使ってわかった「World Maker」の実力(1/2 ページ)

» 2021年09月24日 13時05分 公開
[吉川大貴ITmedia]

 突然だが、絵を描けない筆者が漫画のネームを作ったので読んでみてほしい。

 いかがだろうか。手書きだと直線すらまともに引けず、デジタルのイラスト制作ツールはほぼ使ったことがない筆者が作った作品だ。プロ並みとはいかないが、楽しめる人がいるかもしれない……というクオリティーではあるだろう。

 制作には、9月22日にオープンβテストが始まった、スマートフォン向け漫画ネーム作成サービス「World Maker」を活用した。絵が描けない人でも漫画ネームを作れるのが特徴で、開発元の集英社が「絵が得意でないという理由で、漫画を作る発想をしなかった人に使ってもらいたい」として、無料で提供しているものだ。すでにSNSではユーザーが作ったネームがいくつも投稿されている。

 そこで、筆者も「絵心はないけど、漫画の才能があるかも」と信じ、World Makerで漫画を作ってみた。実際に使ってみるとネームが作れるだけではない、サービスを提供する狙いも見えてきた。

せりふ・ふきだしを基に自動でコマ割り

photo 脚本作りのイメージ

 World Makerは、自身のTwitterアカウントを登録することで利用可能。ネーム作りは、「脚本」「絵入れ」の2ステップで進行する。

 脚本ではまず、おおまかな構成図やページ数(最大4ページまで)を決める。せりふやナレーションなどの文章、ふきだしの数などを入力すると、これらを基にサービスが自動でコマ割りを作成する。せりふの入力中や自動作成後であっても、ユーザーがいくつかのパターンから選ぶこともできる。

 事前に用意されたテンプレートを基に脚本を作ることも可能だが、9月24日午後1時の時点ではエラーが出てしまい、筆者の環境(iPhone 8、iOS 14.8)では使えなかった。

 次の絵入れでは、脚本で作った構成図にキャラクターや背景、小物といったイラストや、集中線などのエフェクトなどを配置する。事前に用意された素材やフリー素材サイト「いらすとや」の一部の画像が使える他、ユーザーが用意した画像を素材として貼ることもできる。

絵入れのイメージ

 集英社によれば、素材の数は約60万という。サイズや角度も調整でき、どこに配置するかもスワイプ操作などで決められる。ふきだしを追加したり、せりふを変更したりすることもできるが、ページ数やコマ割りは変えられない。

 完成後は、作品を登録したTwitterアカウントで投稿できる。他のユーザーが作成したネームを、サービス上で閲覧することも可能だ。

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