コロナ禍で自由な旅行やイベント参加が難しい現在、ヘッドセットを装着して仮想空間内の世界に没入できるVRに注目が集まっている。100万人超の来場者を集めた“VR版コミケ”こと「バーチャルマーケット」などVRを活用したイベントの開催や来場者も増えている。
一方で「仮想世界を体験するには高価な機材が必要」と考える人もいるだろう。ハイスペックPCを使うなら最低でも十数万円、米Facebookのスタンドアロン型VRヘッドセット「Oculus Quest 2」は約3万7000円で、依然としてハードルは高い。
そんな中、VRイベントとは別の「バーチャルイベント」と呼ばれる催事も増えてきた。スマートフォンやタブレット、PCのディスプレイを通して仮想空間を見たりイベントに参加したりする形式だ。
バーチャルイベントの人気は上昇中だ。米Epic Gamesのゲーム「Fortnite」内で2020年に開催されたラッパーのトラヴィス・スコットさんのライブイベントは、約2770万人(同時接続者数約1230万人)が参加。アリアナ・グランデさんや米津玄師さんらのFortniteイベントでも、アーティスト名がTwitterでトレンド入りするなど盛り上がりを見せた。
国内では、フジテレビジョンが毎年夏に東京お台場で開催しているイベントを、2021年は無料のバーチャルイベント「THE ODAIBA 2021バーチャル冒険アイランド」として8月14日〜9月5日まで開催した。来場者数は延べ150万人以上といい、スマホでアクセスできる形式にしたことで、コロナ禍前のリアルイベントに匹敵する集客数になった。
参加者はフジテレビ本社屋のチューブエスカレーターの上を歩くなど、現実世界では行けない場所まで入ってエリア内を散策できた。リアルイベントは保安面を重視したルールを基に来場者の行動を制限するが、バーチャルなら自由に動き回れる。かくれんぼや、かけっこをして遊ぶ子どもたちも見かけた(もしかしたら子ども姿のアバターで参加した大人だったかもしれない)。
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