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Google検索、「Lens」とテキストクエリの併用などMUM採用の新機能

» 2021年09月30日 10時12分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Googleは9月29日(現地時間)、検索技術についてのオンラインイベント「Search On 21」を開催し、MUM(Multitask Unified Model)採用で可能になる複数の新機能を発表した。名称の分からない物の検索や、目的がはっきりしない検索の結果が向上しそうだ。新機能は、即日〜数カ月以内に利用できるようになる見込みだ。

 MUMは、今年のGoogle I/Oで発表された新しい検索アルゴリズム。複雑な疑問に「専門家のように答えられる」ことを目指しており、日本語を含む75の言語と多数のタスクでトレーニングされている。6月には新型コロナワクチン関連の検索で採用したと発表した。

Google Lensとテキストクエリの組み合わせ

 例えば、柄物のシャツの画像を表示している画面でGoogle Lensアイコンをタップし、シャツを選択した状態で「同じ柄の靴下」とテキスト入力すると、シャツと似た柄の靴下が表示される。


 もう一つの例は、自転車を修理したいが、修理箇所の名称が分からない場合の検索だ。これまでは、修理したい部分が「ディレイラー」であってもその名称が分からないと修理方法を検索するのが難しかった。MUMとLensを利用すると、部品の名称が分からないまま、画像結果にテキストクエリで「修理する」と追加することで修理方法の動画が検索結果に出てくる。

 lens 修理箇所の名称が分からないまま検索する方法

 この機能は、向こう数カ月中に利用可能になる見込み。

漠然とした検索で目的候補を提示する「Things to know」

 検索結果に「Things to know」(知っておくべきこと)という項が表示されるようになり、ここにクエリに関連する多様な面が一覧表示される。

 例えば、「アクリル絵の具」とだけ入力した場合、「ステップバイステップ」「スタイル」などのトピックが表示される。これらのトピックは、過去にアクリル絵の具関連検索のトピックの解析結果で提示する。

 この機能も、向こう数カ月以内にリリースの予定。

検索結果に「ズームイン」

 例えば上の「アクリル絵の具」の検索で、アクリル絵の具についてさらに詳しく知りたい場合は「Refine this search」でズームインでき、関連するより広範な情報を知りたい場合は「Broaden this search」でズームアウトできるようになる。

 zoom in

 この機能は向こう数カ月中に利用可能になる見込み。

「視覚的なインスピレーションを簡単に見つけられる」新結果ページ

 「この新しいビジュアル結果ページは今すぐ試すことができる」となっているが、筆者の環境ではまだ確認できない。サンプルとしてGoogleが示しているGIFを転載しておく。


動画内の関連箇所へのリンク提示

 GoogleのAIは既に、動画内の注目の瞬間(バスケットの試合のシュートの瞬間など)を解析できる。この機能を応用し、検索結果が動画の場合、MUMが検索の目的だと予想するポイントへのリンクを提示する。例えば「マカロニペンギン」の検索結果から選んだ動画をタップすると、動画の下に「関連トピックス」として複数のリンクが表示される。その1つ「マカロニペンギンのライフストーリー」は動画内の、ペンギンが自分の子どもを見つける方法についてのシーンへのリンクだ。このリンクは動画で明示的に言及されているわけではないが、MUMが解析して判断したものだ。

 この機能は向こう数週間中に利用可能になる見込み。

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