ロート製薬は、Twitterで一般ユーザーと一緒に開発した通称「猫耳目薬」(商品名はロートCキューブ)を10月13日に発売する。デザインの選定などにSNSをフル活用した「新たなモノづくりへの挑戦だった」としている。
発端は2020年の2月22日、Twitterに投稿した画像だった。毎年SNSが盛り上がる「猫の日」にちなんで「何か面白いことができないか」と考えた社員が猫耳を付けた目薬容器を試作した。これが「かわいい」「全種類集めたい」などと評判に。製品化を望む声も多かった。
翌21年の猫の日には猫耳目薬の商品化を発表。春にはキャップデザインの元になる猫のモデルの公募を始めた。TwitterとInstagramで「♯猫耳目薬デビュー」というハッシュタグを付けて投稿するだけの手軽さもあり、猫モデルの募集には7000件以上の応募があった。
モデル選考もSNSで行った。社内審査で8匹に絞り込んだ後、それぞれの毛並みや色味を生かしたデザイン画を添えてSNSで公開。「#猫耳目薬総選挙キャンペーン」と題して投票を募り、最終的に3匹の猫モデルを選出した。投票には4万人が参加したという。
猫モデルは、黒猫のハーブちゃん、茶トラの春空(はるく)くん、長毛種でクールな印象の直哉(なおや)くん。それぞれの特長を生かし、卵型の目薬容器を使っていた「ロートCキューブ」をベースに、3本の線でトラ柄を描いたり、マーブル模様で毛並みを表現したりと三者三様のキャップができた。
猫耳キャップ商品は全国のドラッグストアやECサイトで13日に販売を始める。売上の一部を動物保護団体に寄付することも決まった。
ロートは「消費者と一緒に目薬容器のデザインを決定する“共創マーケティング”。猫耳目薬はこれまでにはなかった手法で誕生した」としている。商品開発を通じ、SNSの公式アカウントのフォロワーも増えた。現在はTwitterが18万6000人、Instagramは3万人を数える(21年10月時点)。
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