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Facebook告発者のホーゲン氏、英議会とFacebookの「監督委員会」にも説明へ

» 2021年10月12日 15時53分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Facebookの外部組織「Oversight Board(日本では「監督委員会」)」は10月11日(現地時間)、Facebookの元従業員で内部告発者のフランシス・ホーゲン氏を招いて話を聞くと発表した。

 監督委員会は、2016年の米大統領選挙の結果にFacebook上の虚偽情報が影響したという批判を受け、マーク・ザッカーバーグCEOが2018年にその構想を発表したもの。監督委員会は最終的かつ拘束力のある決定を行う権利を持ち、Facebookは監督委員会の決定に従う必要がある。

 「ホーゲン氏によるFacebookについての深刻な主張について本人と話し合い、Facebookの透明性と説明責任を高めるのに役立つ情報を収集する機会を持てることに感謝する」としている。

 ホーゲン氏は2019年にFacebookに入社し、誤情報対策チームのプロダクトマネジャーを務めたが、このチームが解散になったことをきっかけに5月に退社した。内部の問題を告発する目的で退社するまでに数万ページもの内部データを密かにコピーし、米Wall Street Journalに提供した。

 データには、Instagramが未成年に与える悪影響についての調査報告などが含まれ、同氏はFacebookがこうした悪影響を知りながら、ユーザーの安全より自社の利益を優先しすぎたと非難している。同氏は米上院議会小委員会にもデータを提供し、公聴会でも証言した。データは後にWall Street Journalが一般に公開した。

 ホーゲン氏に対しては英議会の「オンライン安全法案草案に関する合同委員会」も公聴会に召喚した。同氏は25日に証言する予定だ。

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 委員会は公式Twitterアカウントで「マーク・ザッカーバーグCEOとニック・クレッグ氏(Facebookの国際業務担当副社長で、英国の副首相を務めた経験のある英国の政治家)は、ホーゲン氏の見解に不満を述べている」が「Facebookは透明性を高める必要がある」とツイートした。


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