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FacebookのザッカーバーグCEO「データを捻じ曲げて利用されてがっかり」という全社書簡を公開

» 2021年10月06日 12時09分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは10月5日(現地時間)、内部告発者の公聴会での証言を受けて書いた全社宛メッセージを自身のFacebookアカウントで一般にも公開した。

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 メッセージの冒頭で、同日発生した大規模障害についても短く触れた後、約1300ワードを費やして公聴会の証言や一連のWSJの記事について批判的な説明を展開した(ホーゲン氏を直接非難することはしていない)。

 「今日の証言について、われわれが公開している討論について振り返りたいと思った」「われわれは、安全、幸福、メンタルヘルスなどの問題に深い関心を持っている。われわれの事業とそのモチベーションを誤って伝える報道を見るのはつらい」「主張のほとんどは無意味だ」という。

 ホーゲン氏が密かに持ち出した内部調査データに基づく一連の報道について、「データを文脈から外し、誤ったストーリーを構築するために利用されるのを見るのはがっかりすることだ」とも語った。

 若者の安全より企業利益を優先しているという主張については「私は子どもを含むすべてのユーザーに体験してもらいたいオンライン体験について考えることに多くの時間を費やしてきた。われわれのすべてのサービスが安全で子どもにとって良いものであることは私にとって非常に重要だ」と語った。

 ホーゲン氏がFacebookのアルゴリズムはユーザーを長時間プラットフォームに引き止めることを最優先しており、その結果、ユーザーを分断し、怒りに向かわせる投稿が表示されるようになっていると主張したことに間接的に触れ、「利益のために人々を怒らせるコンテンツをプッシュしているなどという主張は非常に非論理的だ」とも語った。

 同氏は以前から真実の審判者にはなりたくないと主張しており、若者を守る方法についても「民間企業がすべての決定を行うべきではないと思う。そのため、ここ数年、インターネット規制法の更新を提唱してきた」と説明。議会に規制を求めた。

 「私は世界最高のソーシャルサービスを構築し続けるために行っているすべてのことを誇りに思っており、皆さんが毎日Facebookで従事している仕事に感謝している」という感謝の言葉で長文メッセージを締めくくった。

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