英Raspberry Pi財団は10月20日(現地時間)、Raspberry Pi 4の2GBモデルの価格を35ドルから45ドルに一時的に値上げすると発表した。理由は半導体不足によって部品がコストアップしたためとしている。併せて、販売を終了していた1GBモデルを35ドルで再販する。
同財団は、2021年のRaspberry Piシリーズの製造台数は約700万台で2020年とほぼ同じ状況であり、半導体不足の影響から大幅に増加した需要に応えられていないと述べる。その結果、Raspberry Pi ZeroやRaspberry Pi 4の2GBモデルなど、一部の製品が品薄になっている。
半導体不足は2022年に渡って続くと同財団では予想し、Raspberry Pi 4とRaspberry Pi 400、Compute Module 4以外の40nmのシリコンを使う旧製品に大きく影響するという。そのため、2020年2月に一度値下げをした2GBモデルの価格を45ドルに戻し、1GBモデルの再導入を決めたとしている。
同財団は、今回の値上げについて「半導体不足が緩和されればできるだけ早く元の価格に戻したい」とし、「(値上げは)納得のいく決定ではない。Raspberry Piの歴史の中で、私たちは製品の価格を上げたことはなく、世代間、時には同世代でも価格を下げることができた。今回の一時的な変更は、この奇妙な時代に全ての顧客をサポートするための最善の方法だ」と説明する。
他の製品の価格は据え置きの一方、Raspberry Pi 3B+の製造を優先しないことも発表。同製品のユーザーにはRaspberry Pi 4の1GBモデルへの設計の移行を勧めている。
なお、移行するユーザーを含めた、Raspberry Pi 4とCompute Module 4が必要とする28nmのシリコンを今後12カ月間で確保できる見込みであり、部品の供給不足が緩和されつつある初期の兆候も見られているという。
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