このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
米コロンビア大学の研究チームが開発した「Facially expressive humanoid robotic face」は、表情豊かなヒューマノイドロボットを10万円以下で製造できるプラットフォームだ。目、まぶた、首だけでなく、顔の皮膚が動き、6つの表情を再現する。
このロボット「Eva」は比較的安価な部品で低コストの製造ができ、Raspberry Piを使用してPythonなど多数の言語でプログラミング可能。全ての部品を市販品でまかなえ、プログラムやCADデータも公開されているため、専門家でなくても人間サイズの表情豊かなヒューマノイドが製作できるという。
表情豊かなヒューマノイドはこれまでにも多数登場してきた。中国のHanson Roboticsや石黒浩研究室などのロボットはリアルで洗練されているが、一般の開発者がそのレベルに到達するのは難しい。
Evaの動きはこれらほど洗練されていないが、人間サイズのリアルな表情をするヒューマノイドロボットを一般人でも容易に製作できる、バランスの取れたプラットフォームだ。人間サイズのヒューマノイドロボットでオープンソースなものは、これが初めてだという。
Evaは、喜び、悲しみ、驚き、怒り、恐怖、嫌悪の6つの感情を、サーボモーターを使って表現できる。目を動かす、まぶたの開閉、うなずく、首をかしげる動作も行え、口の開閉と同時に合成音声を内蔵スピーカーから発話させることも可能だ。
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