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「ウマ娘は非常に大きなIP」 サイバーエージェント、21年度通期の売上高・営業利益が過去最高に ゲーム事業など好調

» 2021年10月27日 19時09分 公開
[吉川大貴ITmedia]

 「(ウマ娘の)開始から7カ月だが、1000万ダウンロードを超えた。自社の非常に大きなIPとして、長年にわたって大切にしていきたい」──サイバーエージェントの藤田晋社長は10月27日の決算説明会で、傘下のCygamesが運営するスマートフォンゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」についてこう話した。

photo 2021年度通期の連結売上高

 同日に発表した2021年9月期通期(20年10月1日〜21年9月30日)の連結業績は、売上高が6664億円(前年同期比39.3%増)、営業利益が1043億円(同208%増)、純利益が416億円(同528%増)で増収増益だった。ウマ娘を提供するゲーム事業を中心に全セグメントが好調で、売上高と営業利益は過去最高という。

photo 2021年度通期の連結営業利益

 ただし「大きなゲームのヒットがどれくらいで落ち着くのか、経営陣も分からない」(藤田社長)として、22年9月期(21年10月〜22年9月)の業績見通しの発表は見合わせた。

photo ゲーム事業の業績

 通期の業績をセグメント別に見ると、ゲーム事業は売上高が2627億円(同68.6%増)、営業利益は964億円(同217%増)だった。「ウマ娘(のリリース)以降、堅調に推移している」という。来期以降については「12カ月あるとどうなるか分からない。現時点では落ち着いて事を見たい」。

 メディア事業は売上高が828億円(同45.1%増)、営業損失が151億円の赤字(前期は182億円の赤字)。インターネットテレビ局「ABEMA」に加え、公営ギャンブルの券売サービス「WINTICKET」の取扱高が前期比3.2倍になるなど好調だったという。損失も改善傾向にあることから「長年先行投資してきたが、損益改善フェーズに入ってきたかなと捉えている」とした。

 広告事業は売上高が3213億円(同19.3%増)、営業利益が225億円(同7.1%増)だった。「全般的に好調だった」といい、今後は小売業界などに向け、広告分野のDX支援事業を展開し、さらなる成長を狙うとしている。

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