ペン先に金属パーツを使用したことで、樹脂のペン先に比べて、工作精度を上げることが可能になった。その分、口金の穴のサイズをペン先のサイズに近づけることができるため、筆記時のペン先のブレも少なくなった。
ゲルインクボールペンは学生ユースが中心だったため、必ずグリップを付けていたのだけれど、今回、幅広い年齢層やビジネスユースも視野に入れたことで、グリップをなくしている。このこと自体は好き嫌いもあると思うけれど、このグリップをなくしたことでデザインの自由度が増して、軸から口金、ペン先へのラインが、キレイに直線になって、格段にスタイリッシュになっているのだ。
マニアックな点ではあるが、今回のデザインを担当した三菱鉛筆の商品開発部デザイングループの西田剛史氏は、そこは、「とても実現したい部分だった」と言う。実際、ここまで、見事に、ペン先の三角形の頂点に向かって軸から真っすぐにラインがつながっているペンは少なくとも、500円以下のボールペンにはなかった。
このペン先に向かって真っすぐなラインは、筆記の際のペン先周りの見やすさにも影響する。これも好き嫌いはあると思うけれど、私は、ここがスッキリと見える方が、文字が書きやすい。悪筆なので、少しでも書きやすい状況を求めてしまうということはあるが、ペン先まで段差がない気持ちよさは、一度、試してもらいたいと思う。
そして、そのペン先へのラインを含む、デザイン全般のグレードアップも、今回の製品の特徴になっている。
前述したように、グリップをなくしたことも、その一つ。今回、くすんだ淡い色の6色と、黒軸の全7色のラインアップになっているが、このような淡い発色の軸がカッコ良く決まるのも、グリップをなくしたからこそ。
グリップがあると、グリップの上のラインのところに「切り替え」を付けて、そこから軸が分かれて、替え芯を入れ替えたりするのが通常だが、グリップがないので、そこに切り替えを付ける必要がない。ユニボールワンFでは、この切り替えがクリップの下、軸のかなり後ろの方に作られていて、これが、ペン先までの真っすぐなラインを作ると同時に、ペン自体のデザインが一体感を持って見えるようになっている。口金とクリップ以外は、完全に一色の樹脂でできているというデザインは、目立つところにパーツの分割がないからこそ実現しているわけだ。
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