塗装ではなく、樹脂自体に色を付けて成形する手法も、最近のボールペンの流行のパターンの1つだが、ここまで淡くキレイな色が出せるのだから、技術の進歩も素晴らしい。その淡くくすんだ中間色という、今の流行の色のパターンに、ユニボールワンFでは、日常の風景の中での色を重ねることで、より情緒的なデザインに仕上げている。
軸色は、
ボール径0.38mmが、
ボール径0.5mmが、
となっていて、色にオリジナルの名前が付いているのだ。
また、什器(じゅうき)には、この色名に合わせたイメージ写真が付いていて、色のイメージを分かりやすく表現している。片仮名の色名の頭に付いている「F」は、「フェイデッドカラー」のFで、くすんであせたような色、という意味らしい。ただし、製品名の「ユニボールワンF」の「F」は、フェイデッドカラーのFではなく、感じるなどの意味の「Feel」の「F」だということで、そこはちょっとややこしい。
しかし、この軸色が、本当にキレイな中間色で、確かに、単に、ピンクとかグリーンでは表わせないと考えたのもよく分かる。売り場を見ると、「花霞」の人気が高いようだが、こういう男女関係なく普通に使えるキレイなピンクは、ピンクと呼ぶより「花霞」と呼びたいような気もする。同様に人気の高い「茜空」も、赤というより夕焼けの時の空の色と言う方が合っている感じの淡い赤だ。そういう風に、色に名前を与えたところが、最近の文房具のトレンドに合った戦略であり、同時に、製品のテーマを分かりやすく伝えるデザインなのだろう。
ただし、インクは全て黒で、カラーのインクが使いたい場合は、ユニボールワンのリフィルと入れ替えて使うことになるので注意。三菱鉛筆の広報の方は、「全部黒インクなのに、全色買いましたと言ってくれるお客さまもいて、ビックリしました」と言っていたが、うっかり全色買ってしまいたくなるくらい良いデザインと軸色なのだ。うまいというしかない。
この、「ユニボールワンF」を始め、この後、サクラクレパスからは385円の「ボールサインiDプラス」が、ぺんてるからは330円の「エナージェル ブラックカラーズコレクション」が登場。パイロットが数年前に発売した330円の名作油性ボールペン「アクロ300」も加えて、300円台ボールペンの市場が生まれつつある。気軽に普段使いができて、しかし、十分に高品質で、ビジネスマンが人前で使える、そういうボールペンが、今後の大人のボールペンの定番になっていくのかもしれないと、ユニボールワンFの出来の良さを見て思う。
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