遠心力を使って軌道上にロケットを飛ばそうとしている大胆な宇宙ベンチャーが存在する。米SpinLaunchは10月22日、米ニューメキシコ州の商業宇宙港「Spaceport America」に設置した飛行試験施設で打ち上げテストを実施。ロケットの射出に成功した。
仕組みは明快で、真空チャンバーで低圧に保たれた専用加速器内に大型のアームを備えたローターを搭載。アームの先端に取り付けられたロケットを遠心分離機の要領で高速回転(1287〜8046km/hで動作)し、その勢いを使って外に射出する。
試験の成功を報じたCNBCによると、全出力の20%で運用した加速器内の回転速度は射出直前で音速の数倍の速さに到達。射出された長さ3mほどのロケットは、エンジン無しで数万フィートの高さに達したという。同社は今後エンジンを追加したバージョンなどもテストするとしている。
SpinLaunchは、人工衛星などを低コストかつ高頻度で打ち上げるためのソリューションとして軌道に乗せる専用加速器を考案。実験で使われた加速器は高さ約50mで、予定している加速器の3分の1の大きさという。同社では、同様の加速器を使ったテスト環境や高G環境に最適化させた衛星アーキテクチャなども提供する。
同社は2014年に創業。CEOのジョナサン・ヤニー氏は、コンサルティング、IT、建設、航空宇宙業界で15年の経験を持つ起業家という。
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