米Microsoftは11月2日(現地時間)、技術カンファレンス「Microsoft Ignite」にて、オンライン動画編集ツール「Clipchamp」を発表した。とはいえClipchampは新規開発されたものではなく、すでに展開されていた事業を9月にMicrosoftが買収したものである。買収後も変わらずサービス提供が続いているが、今回改めてMicrosoftファミリーとして紹介されたことで、注目が集まっている。
かつてWindowsには「ムービーメーカー」という動画編集ツールがバンドルされていた。しかしWindows Vista以降は標準バンドルではなく、別途無料ダウンロードという形をとっていた。無料公開は2017年1月まで続いたが、それ以降は公開が停止されていた。
ちょっとした動画なら、Windows 10の「フォト」にも編集機能がある。無料の編集ツールもたくさんあるので、ツールがないと困っている人は少ないと思うが、例えば学校で子どもたちに教えるとなると、OS標準のツールがないとなかなか面倒である。こうした編集ツールがMicrosoft傘下になったということは、WindowsやOne Driveにインテグレートされる可能性もあり、将来多くの人に提供されるかもしれない。
今はまだオンラインツールのままだが、Clipchampがどんなツールなのか、ざっくり知っておいても損はない。無料プランもあることだし、試しに使ってみた。
ClipchampはWebブラウザ上で動作するツールなので、「clipchamp.com」へアクセスすると利用できる。Windows版のスタンドアロンアプリもあるが、ここではWeb版で使ってみる。アカウントはMicrosoftのものだけでなく、他のSNSのアカウントでも利用できる。現在のところ日本語化はされていないが、文字で説明されている部分が少ないので、それほど構えなくても使えるだろう。
ホーム画面で「Create a Video」をクリックすると、ビデオの制作画面へ移る。左側がテンプレート画面になっており、各ネットワークサービスやテーマに応じたテンプレートがある。例えばInstagram用は最初から正方形で制作できるなど、なるべく手っ取り早くアウトプットを得たい人向けのように見える。
ここでは動画の最後にくっつける「アウトロ」から良さげなものを選んでみた。すでに映像のベースはフリー素材を元に作られており、音楽も付いている。テロップを入れ替えるだけというお手軽さだ。フォントは英語ならいろいろそろっているが、日本語フォントはまだバリエーションがなく、何を選んでもゴシックになってしまう。これはローカライズが進めば、解決するだろう。
各クリップにはフィルターも設定でき、色も変えられる。またトランジションエフェクトもカットの間にドラッグ&ドロップするだけだ。
音楽は膨大なライブラリから別のものを選んで付け替えることもできる。ボリューム調整やフェードイン、フェードアウトも設定可能だ。
面白いのは、文字の読み上げ機能があることだ。日本語にも対応しており、男性と女声のナレーションが入れられる。あいにく読み上げスピード設定が効かないようだが、完成度は高いので、自分で喋りたくない人には便利な機能だろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR