トヨタ自動車がEVに本腰だ。同社は14日に新発表の15車種を含むバッテリーEV(BEV)16車種を披露した。2030年までにBEVを30車種投入する方針で、今回の16車種は2025年ごろまでに順次投入する見通しだ。10月に先行して発表した「bZ4X」(ビージーフォーエックス)は、2022年中ごろに発売予定としている。
発表された16モデルは、トヨタブランドが12モデル、レクサスブランドが4モデル。会場で手前に展示されていた5モデルはトヨタのバッテリーEV向け新ブランド「bZ」を冠しており、比較的早期に発売される見込みだ。
14モデルは乗用車で、SUVタイプが9車種、セダンタイプが2車種、ピックアップトラック1車種、スポーツタイプ2車種というラインアップ。bZブランド以外の車種(主に写真最後列)については、数年以内での発売が決定しているものの、どのブランドで出すかなどは未定という。観光施設や配達などの用途を想定した商用車も2車種用意されている。
トヨタは21年6月に、30年時点のバッテリーEVの世界販売目標を「FCV(燃料電池車)と合算で200万台」と公表していた。
今回、この販売目標を「30年までにBEVを350万台(うちレクサスブランド100万台)」と上方修正。トヨタは30年の世界販売を1000万台と見込んでおり、その35%をBEVが占めることになる。レクサスブランドはBEV色をより鮮明にし、30年までに北米、中国、欧州で100%BEVに移行。35年までに全世界でEVのみを販売する“EVブランド”に転換する。
バッテリー技術開発への投資も積み増し、30年までに2兆円を費やす。9月に発表していた計画からさらに5000億円追加した格好となる。車体の開発はバッテリーとは別に30年までに2兆円の投資を見込んでおり、EVに合計で4兆円を投資する。
トヨタは従来、バッテリーEV以外にPHEV(プラグインハイブリッドEV)、FCV(燃料電池車)などの開発も同時に進める、いわゆる「全方位戦略」をとっている。
この方針は今回の発表後も踏襲するとしており、PHEVとFCVの開発にも30年までにそれぞれ2兆円を投じる計画を示している。つまりEVへの投資額を合わせると8兆円を費やすことになる。
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