今回のトヨタの発表で我が意を得たりと感じたのは、豊田社長自らが運転するレクサスの動画です。開発責任者の「(アクセルを)踏んでみてください」という言葉に促されて急加速を行った豊田氏の「何これ? 別世界。ふぉ〜うぃ!」という反応は、筆者の経験と重なります。Model 3が納車されて高速道路で追い越し加速をした時のあの感動そのままです。
プレミアムブランドであるレクサスを100%EV化するトヨタの狙いは大いに理解できます。数値に表れる加速性能だけでなく、身体全体がスーッと滑らかに前に運ばれるような、エンジンの振動やノイズとは無縁の世界で得られるEVの加速感は、内燃機関のクルマでは実現できない上質なユーザー体験をもたらしてくるでしょう。
筆者の場合、レクサスは助手席しか乗車経験がありませんが、静寂性や高い内装の質感に驚いた記憶があります。ミニマルな合理性が魅力ではありますが、どことなく安普請感が漂うModel 3の内装とは大きく異なります。そんなレクサスがモーター特有のユーザー体験でプレミアム感を武装したら、高級指向のユーザー相手に向かうところ敵なしといったところでしょう。
トヨタは2022年の年央に「bZ4X」(ビーズィーフォーエックス)というスバルと共同開発したSUV型のEVを発売する予定です。スバルからも兄弟車が登場しますし、日産からも「アリア」というSUV型EVの販売が開始されます。また、日産と三菱の共同開発による軽自動車規格のEVもうわさされています。まさに22年は、本格EV元年といったところで実際に購入する人が増えるものと思われます。
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