経歴だけは長いベテラン記者・編集者の松尾(マツ)と、テック系編集部を渡り歩いてきた山川(ヤマー)が、ネット/テクノロジー用語で知らないことをお互い聞きあったり調べたりしながら成長していくコーナー。交代で執筆します。
ヤマー トヨタがEV15車種(発表済みの車両を含めると16車種)を一気に発表しましたね。
マツ はい。いわゆる電気自動車ですよね。
このときに思ったのが略称が多すぎ。昔は、EV、ハイブリッドだけだったのが、なんだか増えてるぞって。
ヤマー 確かに発表されたのは「B」EVでしたもんね。B何処から来たのよと。
マツ これっておかしくないですか?
ヤマー これには訳があるといいますか……。モーターでタイヤを転がすクルマにもたくさん方式が出てきたってのがあるかなと。
マツ もともとは、クルマって、内燃機関で動いていたわけじゃないですか。
ヤマー そうですね。ガソリンやら軽油やら。
今も街中を走っているクルマはガソリン車が大半なんですが、いざバッテリーのみのEVを走らせようとするとインフラが足りないので、エンジンとモーターの橋渡し的存在がたくさん出てきたという。
ということで、それぞれ電動車を整理してみましょうか。
マツ まず、「プリウス」などのハイブリッドカー。
ヤマー 一番想像しやすいのがこれだと思います。有名なのはトヨタですが、ホンダも「インサイト」で頑張ってます。
マツ ああ、ありました。
ヤマー ハイブリッドにはいくつか種類があるんですが(後述)、トヨタの場合は、発進時にモーターを使って、ある程度の速度からエンジンに切り替えて走行するスプリット方式(シリーズ・パラレル方式)というのを採用してます。
マツ 内燃機関でも、モーターでも動く。内燃機関で発電して充電して、モーターを動かす。
ヤマー ですね。クルマって発進時に結構ガソリンを使うので、代わりにトルク性能が高いモーターに任せて、ガソリンの消費量を抑えるって発想です。
充電は、回生ブレーキなどでも行います。
マツ バッテリーは積んでるんですよね。
ヤマー そうですね。主にニッケル水素が使われることが多いです。
マツ ニッケル水素を使う理由は? リチウムではなく。
ヤマー 主にコストですね。あと、リチウムのほうがハイパワーを流せるんですが、モーターは主に低〜中速域で使われますし十分かと。ニッケル水素には、継ぎ足し充電で充電容量が減ってしまうメモリ効果があるんですが、電池の改善も進み、あまり影響はないようです。
一方、PHEVではリチウムイオンバッテリーを使うことが多いです。
マツ ちょっと待って、PHEVって何ですか? 後ろのはEVだって想像着くけど(笑)。PHって、ペーハー? perhaps?
ヤマー バッテリー容量を大きくし、外部充電に対応させてよりEVっぽく使えるようにしたハイブリッドカーが、PHEV(プラグインハイブリッドカー)です。ハイブリッドカーは、エンジンや回生ブレーキなどさまざまな工夫で充電できるようになってるんですが、バッテリーの能力をフルに生かすには限界があるので。
マツ PはプラグインのPか。
ヤマー ですです。PHEVは、三菱の「アウトランダー」とかトヨタの「プリウスPHV」「RAV4 PHV」あたりが有名ですね。両車ともバッテリーの容量が大きく1500Wの電源も取れるので、災害用車両としても使われてます。
マツ これは何のプラグインかというと、外から充電できるということか。Petroleum(石油)の略かと思ってた(笑)。
これは何て読むの? フェブ?
ヤマー 「ピーエイチイーブイ/ピーエイチブイ」ですね。そのまんまです(笑)。
マツ ああ、プリウスとかは外から充電できなかったのか。バッテリーは積んでるけど、エンジンとつながっているだけだったと。
なんか、ハイブリッドカーって電動アシスト自転車みたいね。
ヤマー あ、そうです。それに近いです。
マツ 回生ブレーキ使うところも。
ヤマー え、電動自転車ってブレーキで充電できるんですか?
マツ 対応しているモデルもありますね。
ヤマー すげー、まさしくハイブリッドカーですね。
マツ 内燃機関か自分の脚か。
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