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「BEV」君、きみって昔「EV」だったよね? 電動カーに略語が多いので整理してみたヤマーとマツの、ねえこれ知ってる?(2/4 ページ)

» 2021年12月22日 18時00分 公開

ハイブリッドカーには4つの種類がある

 で、今までに出てきたのがハイブリッドカーとPHEV。

ヤマー 実はですね、ハイブリッドカーって4つ種類があるんですよ。

マツ えー、まだあるの……。

 まあ、ハイブリッドって何かと何かの組み合わせだから何を組み合わせるかで無限に広がるか。

ヤマー ざっと分けたんですが、こんな感じです。

  • スプリット方式:トヨタ
  • パラレル方式:ホンダ(i-DCD)
  • シリーズ方式:日産、ホンダ(e:HEV)
  • マイルドハイブリッド:スバルやスズキ、欧州車など
各ハイブリッドの違い(本田技研工業公式Webサイトより引用)

マツ なんか、マルチプロセッサの方式っぽい。シンメトリックとかアシンメトリックとか。

ヤマー トヨタのスプリット方式は、エンジンとモーターどちらもタイヤを転がせます。ハイブリッドカーの中では一番構造が複雑です。

 一方で、パラレル方式はエンジンが主役で、モーターはアシストに徹します。マイルドハイブリッドもエンジンアシストタイプですが、より強力にアシストするのはパラレルの方です。

 ほんで、最近日産がよくCMで「e-POWER」って連呼してるのを聞きませんか?

マツ あ、テレビ見ないんで(笑)。というか、テレビがないので分からん。

ヤマー ……(笑)。日産が推してるのが「e-POWER」という駆動方式なんですが。

 これはシリーズハイブリッド方式といって、エンジンは積んでいるものの、タイヤとは直接つながってません。エンジンは完全に発電機としてバッテリーに充電する存在で、モーターがタイヤを回します。ホンダも昔はパラレル方式でしたが、「e:HEV」からはシリーズ方式に移行してます。

シリーズハイブリッドの日産「NOTE」

マツ 発電のためだけに使う。

ヤマー そうです。ハイブリッドカーの中で一番、いわゆるEVに近いと思います。

マツ 人間発電所サンマルチノならぬクルマ発電所ですね。

ヤマー プロレスちょっとよくわかんないです。

マツ そこまでは分かるんだ(笑)。

ヤマー で、シリーズハイブリッドカーに似た「レンジエクステンダーEV」なんてものもあります。基本的な構造は同じなんですが、外部充電をメインにして、エンジンを補助用の発電機として内蔵してるものです。

マツ エンジンで走行距離を伸ばせる。

ヤマー 電動走行の飛距離を伸ばすためだけの存在。

マツ なんか車名っぽいね。

ヤマー アメ車にありそうですよね(笑)。

マツ レンジローバーに対抗して作ったけど人気が出ずに消え去った車種っぽい。

 でもその方が、ガソリンスタンドに入ればどこまででも走れる。

ヤマー EVではあるけど、既存のクルマインフラを使えます。

マツ ただ、それだと結局環境には優しくないでしょってなるよね。

ヤマー まぁ実はそこ、EVに必要な電力をどこで作るかって話になるのでまたちょっと複雑なんですが。

マツ 政治的な話にもなるからね。

ヤマー 結局、化石燃料で発電するのなら、ガソリンで走るのと何が違うのって話になりますからね。

 再生可能エネルギーも、発電設備の製造・設置への環境負荷も考えると、実はどれがエコなの? という話になってきますし。そもそも、出力も環境に左右されて不安定なので、実用上の問題もあります。

マツ 名前の話に戻りますか。

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