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無表情だと誤解されがちな人向け「人工眉毛付きメガネ型デバイス」 7種類の感情を眉毛で支援Innovative Tech(2/2 ページ)

» 2021年12月24日 08時00分 公開
[山下裕毅ITmedia]
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 この手法を駆使すると、7種類の表情を再現できる。7種類の眉毛の形状変化によって、見る者に与える印象を評価するための実験と、マスク着用バージョン(マスクのイラストを顔画像に重ねた図を使用)も合わせて行った。その際、顔を全て統一するため、着用者の顔は静止画像を使った。

 被験者には、各表情に対して、Anger(怒り)、Sadness(悲しみ)、Fear(恐怖)、Disgust(嫌悪)、Surprise(驚き)、Happy(幸せ)、Contempt(軽蔑)の7種の感情によってそれぞれ5段階のリッカート尺度を回答してもらった。

実験時の顔画像と実験結果
マスク着用時の評価実験の結果。赤色がマスク着用時のレーダチャート、青色がマスク非着用のレーダチャート

 実験の結果、マスクなしで悲しみや怒りといった感情を表出できると分かった。マスクを着用していない場合よりもマスクを装着した場合の方が、どの表情においても感情が強く出る結果となった。

 今後は、静止画像ではなくその場で眉毛が変化する動的バージョンと、本物のマスクを使用したバージョンの評価実験をしたいという。今回は眼鏡に搭載する人工眉毛としたが、眼鏡を取っ払い眉毛を覆い隠すシリコンベースの薄型人工眉毛として、より顔に調和したデバイスになるように機能を改修したいという。

出典および画像クレジット: 増井 元康, 竹川 佳成, 新田 野乃華, 徳田 雄嵩, 杉浦 裕太, 正井 克俊, 平田 圭二. PerformEyebrow:装着者の感情表現を拡張できる人工眉毛形状制御デバイス. 情報処理学会論文誌. 2021, vol. 62, no.11, p.1817-1828.



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