とはいえ街には多くの人が住む。開発したサービスやプロダクトをいきなり街に実装するのは影響範囲の大きさからハードルが高い。そこでWoven Cityが取り入れているのは、現実世界をバーチャル空間で模した「デジタルツイン」でのシミュレーションだ。
デジタルツインにより、開発したサービスやプロダクトを実際の街にローンチする前に、プラットフォームにぶら下がるハードウェアのシミュレーション込みでテストできる。これに加え、リアルで検証した結果を基にデジタルツイン上で改善し、それをリアルに戻すサイクルを組むことができる。
例えば、Woven Cityの物流網の検証は、日本橋のWoven Planetオフィス内に設置されたテストフィールドとデジタルツインで実験を繰り返している。特に街のインフラは、一度作ってしまうとなかなか構造を変えられないこともあり、運用を想定した実験を建設前に繰り返すことで、課題を浮き彫りにする狙いがある。
City OSを統括するのは、Google JapanでChromeの東京開発チームをリードしたマイケル・パドン氏。なぜ、Woven Cityで働こうと思ったのか。彼は、「Chromeで人々の生活に対して非常に大きなインパクトを与えられた」としつつ、「(Woven Cityで)人々の生活により多くのインパクトを与えられるから。人々の幸せのために、今はワクワクしている」と語る。
開所予定は早くて2024年。初期の居住者数は360人程度を想定しているが、約2000人が暮らす街への準備が着々と進んでいる。
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