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キャッシュレスとスマートフォンの時代に向けた革小物 rethink「ニッチシリーズ」分かりにくいけれど面白いモノたち(3/5 ページ)

» 2022年01月04日 08時00分 公開
[納富廉邦ITmedia]

 これでも満足しなかった守川氏は、コインケース部分の被せも外し、しかし、全く無いと開閉時にコインがこぼれるので、最小限の高さに変更。そうやってでき上がったのが、「Less Wallet」。パッと見は薄手のカードケースだが、表側を折り曲げるようにして開くと、中には2列に分かれたコインケース部があり、その向こうに4つ折りの紙幣が見える。カードは背面のスリーブに収まっている。そして、これだけコンパクトなのに、片手で開閉できて、財布の向きを変えずに支払いが完了する。

 この開いた時のインパクトに私は一発でやられてしまった。こんなに薄くて小さいのに、コインケースが使いやすいことにも驚いた。紙幣を4つ折りにする必要があるのが唯一の面倒なのだけど、1万円を超すような支払いはカードで行うことが当たり前になっているし、スマホを使った支払いもあるので、実は紙幣を使うことはあまりない。

 支払い時にはせいぜい2枚程度しか出さないし、お釣りはコインだけ収納して、紙幣は後で、ゆっくりと折り曲げて入れれば良い。その手間以上に、このアイデアに満ちた、そして小さくて薄くてカッコいい財布を使いたいという気持ちが勝っているので、ほとんど問題にならない。

 「もともと、最小限の財布としてデザインしていますから、紙幣数枚、コインは6枚×2、カード3、4枚しか入りません。財布としての機能は全く削ってはいないのですが、使うには慣れと、多少の面倒が必要です。財布として無理なことはせず、人に無理をかける設計ですね」と守川氏は笑う。

photo rethink「Key Purse Pueblo」6930円。写真の革の色はカーキ。他に、ラピス、マロン、インクがある。また、鍵を止めるビスの長さで、1本専用、1〜2本用、2〜3本用がある。当然、1本専用が最も薄い
photo 1段階開いて、鍵をビクトリノックスのナイフのようなギミックで引き出す

 ニッチシリーズのキーケース「Key Purse」は、見た目は普通のキーケースだ。やや薄いなという程度だろうか。しかし、開けてみると、そこにキーは無い。キーはその中にビス止めされていて、ビクトリノックスのように繰り出すのだ。そして、さらにもう1段階開くと、そこにはコインケース部がある。つまり、この製品はキー3本までと、コイン6枚、さらに紙幣2枚程度が入れられる、ミニマムなお出かけグッズなのだ。

photo さらに開くと、このように、2つ折りの紙幣とコインを入れるスペースがある

 「スマホと『Key Purse』で近所に出掛けられます。500円玉2枚に1000円札1枚を入れておいて、非常用としても良いし、『Less Wallet』と組み合わせて使えば、『Less Wallet』に入りきらなかったコインや紙幣を入れておくといった使い方もできます」と守川氏。

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